ハッピーアワーの暗雲 2 ページ6
「ボブが警護してた王子様?すごい美形だけど、気分屋だったみたい。新しい人が入ってきては、王子様と揉めて、離れていっちゃったんだって。」
「へえ・・・。僕みたいだね。」
「き、急に何言ってるんだよ・・・。ライブ成功したじゃん。ヤスロスになってる人とかも聞くけどさ、Aに変わってもファンのみんな、ついてきてくれるよ。」
『私に変わるか分からないよ。それに離れてったのが千みたいだって言ったけど、前の千でしょ?今は百も私もいるよ。』
「そっちはね。ハッピーアワーの方は赤信号だよ。」
千は、千が信用できないから降りたいというラビチャが来ていた事を教えてくれた。
「・・・オレが説得に行こうか?」
『私も行くよ。ヤスの引退がきっかけかも知れないし。』
万だけじゃなくて、ヤスもいなくなるのが理由だったら、私の責任でもある。
そう思って言ったけど、千は、自分が何とかすると、私に紙を渡してから、仕事へ行くと言いながら事務所を出て行った。
「大丈夫かな・・・」
『んー・・・困ったら言ってくれるんじゃない?』
「ユキは、相手を思いやる優しさで頼る事はあるけど、簡単に人に頼んないよ?自分でやるっつったら、自分でやっちゃう。」
『そう?』
「うん。なんていうか・・・」
百が考えるような仕草で、顎に拳の人差し指を当てた。
「ジェントルマンだってオレが言ってるのはさ、いっつも余裕みせてくれて、一歩下がったとこで見てるからなんだよね。落ち着いてるって言うか。」
一歩下がったとこで見てるのは百だよね?
千が落ち着いてる?
余裕?
【どこが?】
よっぽど変な顔をしていたんだろう。
私の顔を見た百が笑った。
「あはは!何言ってんの?って顔!・・・Aには違う顔見せてたんだろーな・・・Aは、ユキにとって、本気で好きになった人だったから。」
『・・・百に言われたくない。』
百に、他の人が私を好きだよって言われるなんて、それでも良いみたいに聞こえてしまうから。
「ん。ごめんね?オレもAの事本気だから、譲んなかったんだよ?」
『・・・なら、別にいい。』
ふてくされたみたいに見えてたら恥ずかしい。
でも、ふてくされたみたいに返事しちゃったけど。
「へへ。A、可愛い。」
『!!またそういう事・・・っ』
事務所なのに!
頬の熱を誤魔化すように、キュポッとサインペンのフタを開けた。
「まあ、何か対処法考えとくよ。」
百の言葉に頷いてから、色紙にサインをした。
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ミズ ミズ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます!こちらは心のままにほぼ欲望に忠実に書いてたものなので、そう言っていただけるのが恐縮ですが、嬉しくもあります。続編もあり、主人公の性格が微妙に変わったので気に入って頂けるかわかりませんが、気分が向けば、よろしくお願いします (8月15日 10時) (レス) id: 26c48aa660 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 完結おめでとうございます!執筆本当にお疲れ様でした!あれもこれもそれもどれも神がかってると言っても足りないくらい感動的で神秘的で、とっても素敵でした!✨️こんなに心揺さぶられる物語中無いです…ありがとう、と、切に切に申し上げます。ありがとう。 (8月15日 3時) (レス) @page50 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - jackandeve1207さん» 長いお話で所々至らない部分が多かったと思いますが、読んでいただいてありがとうございました!続編ですか(`・ω・´)楽しそうですね!案練って、3月4月位なら可能かも・・・女の子目線、ガツンと書きたいなと思ってたんです(笑)ありがとうございます! (2021年2月3日 22時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
jackandeve1207(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。その後の話が読みたいです!百くんとの生活とか気になります! (2021年2月3日 18時) (レス) id: d91163b80d (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 近藤。さん» 打ち間違えてました(汗) いい作品って言われるの、嬉しいです!また他、精進していきたいと思います。こちらこそ長い間、読んでいただいてありがとうございました! (2020年3月30日 7時) (レス) id: 27e90bca53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2020年3月5日 7時