彼女のための音楽 3 〜百side〜 ページ39
「もう、過去に向かって、おねだりはしないよ。未来にしかねだらない。オレと、ユキと、AのRe:valeの、この先ずっと続く、未来の歌を歌いたい。」
「・・・両方ほぼ同時か。・・・難題だな。」
ユキは微笑む。
「ユキとAならできるよ。」
「はは・・・。相変わらず、乗せるのが上手い。」
ユキは、手紙を近くの棚に置いた。
「・・・作るよ。あの頃みたいに、むきになって、必死に。青春を繰り返すみたいに。」
ユキが優しい微笑みで言ってくれた。
「これはモモと一緒に作るんだ。そして、この曲でブラホワのステージに立とう。」
「うん・・・っ」
「そして、Aが作曲するものは、3人一緒に作る。それは、来年の、ヤスではない、Aと僕らの始まりのための曲にしよう。」
「うん・・・っデビューライブみたいに、もう一度、最初から、ドキドキしようね!」
笑って、やっとユキと一緒にすき焼きに箸をつけた。
「じゃあ、この曲が、ヤスの最後の曲になるんだな・・・ヤスに向けてって言ってもいい位の最高のものにしよう。」
「うん!ヤス最後か・・・。感慨深・・・い・・・」
ヤス最後?
ってことは、今年最後。
・・・あれ?なんか忘れてるような・・・
「ユキ、なんかオレ、引っかかってんだけど・・・」
口に入れた肉を飲み込んでから、ユキを見て聞くも、ユキも不思議そうな顔。
「モモも?僕も、何か忘れてるような気が・・・」
“うん。最後の曲だもんね。完全燃焼しよう!”
“これがヤス最後の曲”
“Re-raise”
【あ・・・】
「ユキ。」
「モモ。」
同時にお互いを呼んだ。
心臓バクバクいってる。
「ユ、ユキから言って。」
「モモからでいいよ。」
「「・・・・・・。」」
同じ事を考えてる気がする。
じゃあ、せーので言おうと言って、同時に口を開いた。
「「Aの曲の記憶、なくなってるよね!?」」
言い切って、ピタッと一瞬お互いに黙った後、2人で立ち上がって、まくし立てた。
「やっぱり!?Re-raiseがヤス最後の曲って言ったよな!?」
「うん!言った!でも出来るよね!?ユキなら!ブラホワに間に合うよね!?」
「間に合わせる!・・・って・・・」
「ユキ・・・?」
急にユキが口を押さえて、ストンと座る。
「・・・っ、良かった。A、もう苦しまないでいいんだ・・・」
【ユキ・・・】
「・・・うん。ユキも、もう苦しまなくて良いんだよ。」
それから、一応確認しよう、という事になった。
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ミズ ミズ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます!こちらは心のままにほぼ欲望に忠実に書いてたものなので、そう言っていただけるのが恐縮ですが、嬉しくもあります。続編もあり、主人公の性格が微妙に変わったので気に入って頂けるかわかりませんが、気分が向けば、よろしくお願いします (8月15日 10時) (レス) id: 26c48aa660 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 完結おめでとうございます!執筆本当にお疲れ様でした!あれもこれもそれもどれも神がかってると言っても足りないくらい感動的で神秘的で、とっても素敵でした!✨️こんなに心揺さぶられる物語中無いです…ありがとう、と、切に切に申し上げます。ありがとう。 (8月15日 3時) (レス) @page50 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - jackandeve1207さん» 長いお話で所々至らない部分が多かったと思いますが、読んでいただいてありがとうございました!続編ですか(`・ω・´)楽しそうですね!案練って、3月4月位なら可能かも・・・女の子目線、ガツンと書きたいなと思ってたんです(笑)ありがとうございます! (2021年2月3日 22時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
jackandeve1207(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。その後の話が読みたいです!百くんとの生活とか気になります! (2021年2月3日 18時) (レス) id: d91163b80d (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 近藤。さん» 打ち間違えてました(汗) いい作品って言われるの、嬉しいです!また他、精進していきたいと思います。こちらこそ長い間、読んでいただいてありがとうございました! (2020年3月30日 7時) (レス) id: 27e90bca53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2020年3月5日 7時