笑顔のキミが好き 【百】 26 （完結）

小鳥遊事務所へのクレーム ページ36

マンションに戻る時、アイナナ寮をなんとなく見ると、いかつい警備員さんが立っていた。

最近、万が忙しくなってきてるのもあって、IDOLiSH7がノースメイアに帰ってきてから警備員が配置されている。

「おかえりなさい。」

管理人さんに声をかけられて、笑顔で、ただいまですと言うと、管理人さんは頬に手を当てて息を吐いた。

「うちの子たち、あそこの警備員が怖いって言って、学校から帰ってくる時に通るの、嫌がってるんだよね。女の子とか多いのも大変だったし、静かになったのは良いんだけど･･･」

『ああ･･･ファンの子たちもマスコミも寄らなくなって、私としては良かったんですけど。･･･まあ、警備員さんって仕事だから、仕方ないですけどね。もうちょっと柔らかそうな雰囲気も出せるような腕の良い人だと、子供さんも安心できますかね？』

難しい問題だ。
見た目でなめられると、ファンの子たちもマスコミも寄ってくる。

「昨日の町内会で議題になったから、今日にでも、管理してる事務所に会長が話してると思うよ。」

『･･･そうなんですね･･･』

管理人さんに、じゃあと頭を下げて、エレベーターに乗る。

小鳥遊事務所も大変だな。

ノースメイアから帰ってきてから、IDOLiSH7が忙しいのは知ってる。
テレビで観ない日はない。

爆発的に認知されて人気が出てる。

【この分だと･･･私たちとそう変わらない道を辿る･･･】

Re:valeは一年目はほとんど売れなかった。
次第に認知されて、売れてきて、ブラホワで勝者になった。

私たちに目をかけてくれたのは、志津雄さんや朝倉さんや大御所の人たちだ。

今年は、ブラホワ出場が危ういけど。

【記憶がなくなっても･･･想像はつく。】

千の説得がうまくいった今、ハッピーアワーはきっと上手くいく。
ブラホワ出場は分からないし、IDOLiSH7の寮がどうなるのかもわからないけど。

家に入って適当に食事をすます。
エレクトーンで頭に浮かぶフレーズを音にしていく。

これが、記憶の曲でなければ、完全に記憶がなくなったと胸を張れる。
百と千に気づいてもらえるかはわからないけど。

少し位言って、様子を見てもらう方がいいかなと思いながらお風呂に入って、もう一回作曲する前に歯磨きをしながらスマホを見た。

百会いたい!そっち行っていい?(≧∇≦


時計は21時。
夕食後に“未完成な僕ら”のアレンジじゃないの？と不思議に思いながら、いいよ、と返信をした。

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