笑顔のキミが好き 【百】 26 （完結）

抱きたい女ランクの変化 ページ25

百の言葉に、何で今。とポカンとしてると、千が雑誌を見て目を見開いて指をさした。

「･･･A、ギリギリランクインしてる･･･」

『･･･は？』

千が私を見る。
慌てて雑誌を見ると、確かに私の名前が載っていた。

百を見ると、ちょっとだけ寂しそうな笑顔を私に向けた。

この表情は、心証操作じゃない･･･

『･･･みんな、目、大丈夫かな･･･』
「「そこ！？」」

百と千が私の言葉に驚いてるみたいだけど、一番驚いてるの、私なんだけど。

「本当にA、容姿の自己評価低いよね･･･」
『昔、私を中の下って言った人がなんか言ってるわ･･･』
「今のユキはそんな事言わないでしょ！？」
「言わないよ。好みの女性は美人だから。」
『はい、私消えたー。』
「中身でしょ、中身！」
『百、なんでそんなにムキになってんの？』

「だってA可愛いもん！オレだけ分かってりゃ良いんだって気持ちと、皆に分かってもらいたい気持ちの間で、いーっつも揺れてんの！」

･･･熱くて真っ直ぐな気持ちが心に響く。

その言葉に、嘘がないのがわかるから、すごい恥ずかしい。

百から目線をそらした。

『･･･それは･･･大変ね･･･』
「他人事！？」

「くく･･･照れてるだけだよね。A。」
『うるさいな。もう。ほら、帰るよ。』

鞄を持って立つと、２人も同じようにしてくれる。

『･･･私も、百だけだよ。』

こっそり言うと、百は嬉しそうに笑ってくれた。

「エヘヘ。ツンデレ〜。」
『え！？ツンデレじゃないし！』
「ツンデレだね。」
『千まで！？』

「ーーあ！モモくん、ユキくん、Aくん！」

下岡さんが歩いてくる。
千と私は頭を下げて、百は手を挙げて駆け寄った。

「あっちの方、どうなってる？僕も説得してるんだけど、様子見の人たちが増えちゃってさ･･･」

小声でコソコソ端に寄りながら、下岡さんが言った。

【百が、なんか対処法考えとくって言ったのは、下岡さんが説得に加わるって事かな？】

自分は動かないけど、って所が、百らしいというか。
千を立ててるのか立ててないのか、分かりにくい。

千が下岡さんを説得しようとすると、下岡さんは、説得しなくていいよと笑った。

下岡さんから、様子見に入る人たちとは別に、焦れて、独断で動く人が出てきそうだと、星影側の一部の人は、新規事務所の立ち上げも考えているらしいことを聞いた。

足並みそろえてツクモの動きに対抗しなきゃ意味がないのに。

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