記憶がなくなっても・・・ 〜百side〜 ページ22
「あ、もちろん、それだけじゃないってのも分かってんだけど。だから、考えないようにしてる。考えても答えなんて出ないし。・・・Aに、記憶なくなってもオレのこと好き?なんてさ、記憶のある今聞いたって、答えはYesしかないじゃんか。」
それでも一度聞いてしまったけど。
答えは、やっぱりYesだった。
「大丈夫!そん位でAとモモちゃんの愛は壊れないから!あんがとね!気にしてくれて!」
笑って言うと、ナギはエレベーターのボタンを押してからオレを見た。
「ミスターモモを案じたワケではありません。アナタ方が上手くいかなくなると、気にする者がいますので。」
「あはは!大和と陸?」
陸は、天のこと気にするだろうし。
「・・・ノーコメントです。」
ナギは余裕そうな笑みを見せて、エレベーターに乗って帰った。
〜Aside〜
百とナギが出て行ってから、何話すんだろうと少し気になりながら、カップを片づけていた。
“だからさ、Aも楽しんでる時があったの!そういう時、こっちまでハッピーな気分になんだよね!”
何となく、気になった百の言葉。
そういえば最近は、そう浮かれる事がなくなった。
大まかな出来事以外は忘れてるから、当たり前なんだけど。
もしかすると百は、私の記憶がなくなるのは、寂しいのかな。
だからと言って、止める手段はないけど。
“前世の記憶がなくなっても、オレの事好きでいてね。”
私の心にある気持ちは、ちゃんと私のものだ。
けど、きっとそれを今、百に言っても意味を持たない。
記憶がなくなった私が言って初めて意味を持つ。
私が今出来るのは、全部で、百に好きだよって伝えること。
改めて言うのは恥ずかしいし、変だなって思われちゃうだろうけど。
【・・・クリスマス・・・】
百が期待しててって言ってたプレゼント。
私も、それで想いを伝えられたらな、と、何にしようか考えた。
「ただいまー!」
『おかえり。』
リビングに元気よく入ってきた百を見て笑って返すと、嬉しそうに百が言った。
「新婚みたーい!」
『あはは。お風呂にする?ご飯にする?』
「Aにする!」
『・・・それ、聞いてないけど。』
「ええ!?おあずけ!?ええい!こうしちゃる!」
キッチンの流しにいた私を、百が後ろからじゃれるように抱きしめてきたから驚いたけど、笑うと、百も笑った。
「はは!・・・ナギ、スッキリしたみたいで良かったね。」
『・・・うん。』
気にしてくれた事が、嬉しかった。
MV案(Re-raise)→←ナギの告白 4 〜百side〜
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ミズ ミズ(プロフ) - さざんかさん» コメントありがとうございます!こちらは心のままにほぼ欲望に忠実に書いてたものなので、そう言っていただけるのが恐縮ですが、嬉しくもあります。続編もあり、主人公の性格が微妙に変わったので気に入って頂けるかわかりませんが、気分が向けば、よろしくお願いします (8月15日 10時) (レス) id: 26c48aa660 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 完結おめでとうございます!執筆本当にお疲れ様でした!あれもこれもそれもどれも神がかってると言っても足りないくらい感動的で神秘的で、とっても素敵でした!✨️こんなに心揺さぶられる物語中無いです…ありがとう、と、切に切に申し上げます。ありがとう。 (8月15日 3時) (レス) @page50 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - jackandeve1207さん» 長いお話で所々至らない部分が多かったと思いますが、読んでいただいてありがとうございました!続編ですか(`・ω・´)楽しそうですね!案練って、3月4月位なら可能かも・・・女の子目線、ガツンと書きたいなと思ってたんです(笑)ありがとうございます! (2021年2月3日 22時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
jackandeve1207(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。その後の話が読みたいです!百くんとの生活とか気になります! (2021年2月3日 18時) (レス) id: d91163b80d (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 近藤。さん» 打ち間違えてました(汗) いい作品って言われるの、嬉しいです!また他、精進していきたいと思います。こちらこそ長い間、読んでいただいてありがとうございました! (2020年3月30日 7時) (レス) id: 27e90bca53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2020年3月5日 7時