笑顔のキミが好き 【百】 26 （完結）

カラオケの約束 ページ16

仕事を終えて着替えてから百と千のいる楽屋に行くと、ちょうど帰り支度を終えていたみたいで、局を出た。

『あれ？』

「環くん、壮五くん。」
「バンさん！」

出た所で、MEZZO"と万と会った。
３人共、こっちに歩いてくる。

「千、百くん、ヤス！言いたいことはたくさんあるけど、とりあえず･･･」

まあ、だろうな。
過去の記事とか、ヤス引退の話とか。

「わかってる。今度カラオケにデスメタル歌いに行こう。」

デスメタル！？

『あはは。ストレス発散？』
「そうそう！オールでやりましょう。」

「OK。痣ができるまでタンバリン鳴らすよ。」

「よっしゃ、楽しみ！壮五たちはこれからどこに行くの？」

百が笑顔で聞くけど、そうちゃんが大真面目な顔をして、戦争です、と言った。

「め、目が据わっちゃってるけど！？」

「誰かに似てきたな･･･。」
『その誰かさんよりはいい子だよ･･･』

万と一緒に、誰かさんを見てると、当の本人は聞こえてるのか聞こえてないのか、スルーして嬉しそうに言った。

「レコード会社だな。やってやれ。一歩も引くなよ。」
「はい。」

「ももりん、ゆきりん、ヤスりん、応援して！」
「「『頑張れー！負けんなー！』」」

「あはは！そっちもな！」

たまちゃんが嬉しそうに笑う。
こっちも笑顔で、頑張るよって、任せてって応えて手を振った。

「さて、まずはナギとの約束！」
『うん。』

「じゃあ、また明日。」

駐車場で千に手を振って、百の車の後部座席に座る。

ナギから話があるとラビチャが来た、と百に言われて、難なく了承した。
もう私としては、ナギがどう思っていても怖くはないんだけど、百からすれば、どう思ってるのかは聞きたいらしい。

【ただ･･･桜春樹の事について聞かれるのだけが怖いけど。】

ノースメイアにいたって事は分かるけど、今の私にはそれ以上の記憶はない。
あと分かるのは、亡くなったことだけだ。

「じゃあオレ、ナギ連れてくるから、先に入ってて。」

周囲に警戒しながらマンションに入る。
最初は寮のナギの部屋の予定だったんだけど、誰にも聞かれない方が良いなら私の家がいいということになったからだ。

ナギは紅茶、百はももりん。
私も紅茶にしよう。

どの紅茶がいいかなーと思いながら、お湯を沸かしていると、百とナギが来た。

「おじゃましまーす！」

『ナギ。久しぶり。いらっしゃい。』

「お久しぶりです。オジャマします。」

『紅茶、色々種類あるけど、どれがいいかな？』

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