検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:17,023 hit

122 〜万side〜 ページ41

『まあ百はその後、“バンさんの代わりなんてなれないの分かってるけど!めちゃくちゃおこがましくて申し訳ないけど!”って、まくしたててたけど。』

Aが笑う。
でも、すぐに眉を下げて言った。

『私、百の事を万だって思った事が裏目に出ると思わなかった。』

ごめんねと言いたげな表情。
でも謝罪を口にしないのはきっと・・・

「俺としたつもりだったんだろ?・・・それなら幾分かマシだよ。百くんと役の上でやったとして、あの表情が出るよりは。・・・俺だけが知っていたい表情だったけど、もっと色んな表情を知れたから。」

Aの顔を俺の方に向けて、キスを交わす。
離すと、やっぱり照れたように笑うA。

「でもやっぱり、この顔は、これから俺の前だけにして。」

『あはは。なんか万がこんなに独占欲強いのって変な感じ。・・・ちょっとくすぐったい。』
「駄目?」

『ううん。嬉しい。』

やけに素直だ。

Aが嬉しそうにしてくれるのも
俺の勝手な欲を嫌うことなく受け入れてくれたのも
Aが素直なのも

全部が嬉しくて、抱きしめた。

お互いに痛みや怠さが残る体を、何とか動かしてAが先にシャワーを浴びる。

『あ、あの・・・万・・・』
「ん?」

俺が朝ご飯の準備をしている間に戻ってきたAは、シャワーで温まったせいか顔が赤い。

『・・・あ、やっぱ何でも・・・あ、手伝うよ、朝ご飯。万、シャワーしてきて。』

夕飯の予定だったものを朝に回すだけだからと、説明してからシャワーを浴びる。

【・・・あれ?ここ、どこかで打ったっけ?】

風呂場の鏡を見て、自分の肩付近に小さな内出血の痕があるのを見つけた。
首を捻るも思い浮かばない。

一昨日はなかったはず。

ま、いいか。

ドライヤーをしてから戻って一緒に食事をした。
次に会う約束をして片付けて着替える。

「仕事だろ?送るよ。」
『大丈夫?』
「Aこそ大丈夫?」

お互いに体を気遣う。
Aが照れたようにぽつりと呟いた。

『今は大丈夫だけど・・・ヤスの衣装は・・・』

今は??
衣装?

「Re:valeの衣装?またきわどいのがあるのか?嫌なのとか?」

太陽のEsperanzaの時の衣装はきわどかったけど、AのRe:valeとしての衣装は基本的に際どいのは少ない。
視線が集中しないようにだろうとは思うけど。

だからか、ヤス単体のCMは物によって際どい。
でも、もうCM撮影はないはずだ。

引退するのだから。

Aが耳に髪をかけながら苦笑いした。

123 〜万side〜→←121 〜万side〜 



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
193人がお気に入り
設定タグ:アイナナ , Re:vale , 大神万理
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miz | 作成日時:2019年12月2日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。