笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】 4 (ページ5)

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85　（逢坂の･･･）　～万side～ページ5

「急性胃腸炎とホルモンバランスの乱れ･･･」

俺の言葉に、Aが頷いた。
ホッとして、思わず息を吐く。

【色々な事が後回しになったり、追われずに済んだ･･･】

食欲もないらしく、洗濯物やらしかやることがない。

『ごめん。･･･せっかく来てくれたけど･･･』

「いいよ。IDOLiSH7の寮周りのファンの子を注意しに行く以外は、Aの所にいるから。」

『･･･あ、じゃあ･･･』

Aがキャビネットから何かを取り出して、俺に差し出す。

鍵だ。

「･･･これ･･･」

『ここの鍵。いるでしょ？注意しに行って帰ってきたとき、私寝てるかもしれないし。』

「ああ。うん。」

そういうことか。
危うく勘違いする所だった･･･

じゃあゆっくり寝ててと言って鍵を持って出ようとすると、Aが辛そうにトイレへ向かいながら言った。

『万、その鍵、ずっと持ってていいよ･･･』

トイレのドアがパタンと閉まる。

【それって･･･】

心からじわじわ広がっていく熱。

【すごい爆弾、投下していくなよ･･･】

赤くなった顔を振り払うように、Aの家を出た。

・

MEZZO"のラジオ番組。
その日は別の仕事で、一緒に同行出来なかった。

慌ただしい中で、やっとラジオをつけると、壮五くんが、泣きそうな声で、自分の話をしていた。

「僕は･･･。ずっと･･･。･･･自分のことが好きになりたかった。憧れたアーティストみたいに、思い出の曲みたいに、自分を･･･。･･･っ、･･･自分を好きになりたい･･･。」

【壮五くん･･･】

「･･･好きなものや、大切なものを、僕を守ってくれたものを、･･･守れるようになりたい･･･。いいことがしたいんです。僕に優しくしてくれた、大切な友達を･･･。憧れた人たちの名前を称えるような。」

壮五くんは、壮五くんの叔父さんやTRIGGERの話をする。
TRIGGERのSECRET NIGHTを流した。

「すみません、万理さん。」

壮五くんが後々説明してくれた。
次第に真っ青になった。

【警察･･･逢坂に戻る･･･】

いや、さすがに逢坂の家に壮五くんが戻る事はないよね。
そうなったら、Aが気をつけろ位、言うだろうし。

【ああ、俺、意外とAに頼ってるな･･･】

情けない。

「それで、今度借りれることになったので、TRIGGERにお貸しします。」

「うん。じゃあ･･･」

壮五くんが戻らない事にホッとして、必要な手続きを教えたりして、TRIGGERがFSCホールを借りれることが決まった。