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116 〜万side〜 ページ35

次の日は社長に呼ばれて、IDOLiSH7の今後の話を聞く。
急速に売れてきているから、色々急いで考えないといけない。

めまぐるしく変わる、一日一日。
明日はAと夕飯食べるから、明日の分の事務所でやる仕事も出来る分をやって、紡さんと、今後のIDOLiSH7の話をして帰った。

紡さんと話をしてた時、Aの事を思った。

前世の記憶で苦しんでいた時のA。
何かと手を出したくて、堪えて、見守って。

思えば、ああいう忍耐力は、記憶が薄れていくにつれてなくなっていってるのか、年相応になってるのか、恐怖がなくなっていってるからなのかは分からないけど、黙って見守るって簡単に我慢出来ることじゃないと思う。

尊敬する所の1つだな。

【にしても・・・また最終回観れてない。】

いっそ呪いでもかかってるんじゃないかと思うほど。

泡のついた髪をシャワーで流しながら、Aが変だった頃を思い出す。
ずっと頭の端にあったせいで、それも思い出した。

デートという言葉に照れて、自分からキスなんて問題外で。
そんなAが、自分からデートと言ってくれたり、頬とはいえキスしてくれたり。

変だなとか、でもこんなもんだとか思ったけど・・・

Friends Day頃だ。
最終回辺り。

“万はいつも余裕そう。”

余裕そうっていうのは、付き合ってきた彼女には意外と言われていた。
本気で自分が好きなのかとか、他に女がいるんじゃとか。

Aは余裕そうとしか言わないけど。
だから攻めてみたと言われればそれまでだけど、おかしかった。

体も洗い終わってシャワーを止める。
髪と体を拭くと、下だけ穿いてドライヤーをかけた。

今はもう普通だけど、あの時変だったA。
その理由を、俺が想像している通りだとして、責めるつもりも、やるなというつもりもない。

女優なんだから、覚悟はしてる。
気持ちいいもんじゃないけど。

だけど、余裕だからそう思う訳じゃないのにな、とも思う。

時計を見ながら、最終回は15分拡大だから半分くらいなら観れるか?と思って、テレビをつけた。



「おはよう。用意できた?」

次の日の寮。
バタバタと走ってる音がする。

「環くん!万理さんが来たよ!」
「待って、そーちゃん!バンちゃん、おはよ!」
「おはよう。」

ちょっと早めに来て正解。

MEZZO"の2人が、行ってきますと言いながら寮を出て車に乗ってくれる。
仕事に向かった。

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作者名:miz | 作成日時:2019年12月2日 8時

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