笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】 4 (ページ4)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:17,034 hit

84　～万side～ページ4

帰り際、岡崎さんが俺を呼び止めて、あのーそのーと言いにくそうにしていた。
チラッと紡さんを見て、困った顔をする。

「あああ、時間が･･･。やっぱりまた連絡しますね！」

「え？･･･はい･･･。？」

紡さんに聞かれたら困る話だったのかな？
って事は、Aの事か？

何だろうと考えても答えがでるわけではなく、紡さんと事務所に戻った頃に、千から電話がかかってきた。

･･･「あのさ。･･････Aが妊娠してるかもって話が出てて。ちゃんとしてるよね。」

【･･･は？】

「え？ちゃんとしてるけど。どういう事？」

聞くと、千が、Aの症状を説明してくれる。

岡崎さんが言いにくそうにしていたのは、これか。

「分かったけど、とりあえず病院だろ。話はそれからだ。」

･･･「どうするつもり？デキてたら。」

「その時は責任取るだけだよ。」

そう言って、お互いに電話を切った。

「どうしました？」

紡さんがキョトンとした顔で聞いてくる。

「ああ、Aが体調崩したらしいよ。IDOLiSH7の子たちは仲が良いから、心配かけないように黙っていましょう。」

「お姉ちゃんが･･･そうですね。心配ですもんね。」

紡さんには心配かけちゃってるけど。

【･･･というか、責任取るだけだとは言ったけど･･･】

相手はAだ。
簡単にはいかない。

Re:valeの活動。
女優の仕事。
ファンへの対応。

これが一番大変になってくる。
そうなるとやるべき事は･･･

そこまで思って、ハッとした。

【ああ、駄目だな･･･】

事務員として、こういう時に何をすべきかを考えてしまった。
もし妊娠していたら、俺の立場としては、それは二の次だ。

妊娠していたら、Aが一番困るだろう。
嬉しいと思ってくれるかは別にしても、ファンの事を想って、みんなを想って、不安になるかもしれない。

その時に、傍にいて抱きしめてあげられる俺でいたい。

まだAは23歳だし付き合って1年も経ってないから、結婚はまだ先だと思っていたけど。
重荷になるだろうと、考えないようにしてたけど。

【まあ、ただの体調不良だとしても、考える良い機会か。】

いつか、そういう事があるかもしれないと覚悟を決める良い機会だ。
覚悟だけじゃ、何も出来ないけれど。

それから少しすると岡崎さんから連絡があって、Aが病院に運ばれた事を知った。
仕事を終わると、Aの家へ行った。