100 〜万side〜 ページ19
「ナギくんの事も今からとても重要だけど、君はAちゃんと付き合ってるから言っておくよ。」
なんの話だろう。
頷いて姿勢を正す。
「さっきの彼は、半年位前、Aちゃんの過去を調べたそうだよ。ナギくんが“自身の興味で勝手に調べた事は謝ります”と、“Aちゃんに不利益な事はしない”と伝えて欲しいと言っていたらしい。・・・思い当たることあるかい?」
「思い当たること・・・ですか?」
あるとすれば、ナギくんが、Aの記憶のことをわかってるんじゃないか、という事くらいだ。
【半年前・・・三組合同の全国ツアーの辺り・・・】
「・・・分かりませんが、Aは調べられてた事を知らなさそうですし、不利益な事はしないと言うのなら、全てナギくんの口から、Aに言って貰いましょう。・・・最悪の場合は考えなくてはいけませんが、その場合は、俺がAに伝えます。」
「万理くんなら、そう言ってくれると思っていたよ。」
俺の真っ直ぐな言葉と目に、社長は微笑んでくれた。
・
それからはナギくんを迎えに行くと決めた紡さんと一緒に、IDOLiSH7の仕事をノースメイアで出来るものと出来ないものに分け、ノースメイアで仕事をする手続きをし、残れる事務所スタッフも交えて、徹夜で企画書類をまとめあげた。
結果、20日後にノースメイア行きが決まった。
・・・MEZZO"と陸くんと俺は、19日後だけど。
ノースメイアに行く前々日。
仕事を終えて、いつものように寮周りの警備をしてからAの家に入る。
『お疲れ様。』
「やっと来れた。ごめんな、今日しか時間とれなくて。」
『お互い様だよ。何か食べた?』
適当に食べたと言うと、ちゃんと食事取りなよと言って、Aが笑う。
そこまでキチンと取ってなかったニュアンスで言ったつもりはなかったけど、バレたらしい。
『お風呂、入ってるよ。入る?』
自然に聞かれて驚く。
結構良いもんだな。
「いいね。新婚さんみたいで。」
『へ!?』
わー。
すごい真っ赤で、金魚みたいに口パクパクしてる。
かわいい。
真剣じゃないわけじゃないけど、結婚まで意識してない。
でも・・・気持ちのタイミングが合えば、それもいいかも。
でも今は・・・
Aを引き寄せて首筋に顔を寄せた。
「Aは・・・入ったのか。いい匂い。」
ボディーソープの匂いがする。
『・・・っゆっくり入ってきて!』
体を押されて離れると、Aはやっぱり真っ赤で、可愛くて笑った。
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作者名:miz | 作成日時:2019年12月2日 8時