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95 〜万side〜 ページ15

千と百くんが言い合いになっていると、岡崎さんが昨夜からの出来事を話し始めた。
その途端に、千と百くんだけでなく、Aまで黙ってしまった。

3人とも気まずそう。

「月雲の手の者から、Aさんは2人を救いましたけど!それは感謝しますけど!TRIGGERの拉致事件の時に社長室にいた奴を信用して取引なんて、絶対にいけません!」

『信用はしてないってば。私と熊さんの求めるものが一致しただけだから。』

月雲社長室のパソコンから得た情報が入ったUSBと、お互いの連絡先を消すという約束で、月雲が百くんの家に呼んだ怪しい人たちの中に、いざという時に百くんを救えるように手を回せる人を入れたらしい。

【まさか、TRIGGERの時より前から考えていた、なんてことないよな・・・】

ありえる。
・・・いや、違うか。

そもそも、相手にとってUSBがいらない物なら取引は成立しない。
それに百くんに怒られてUSBは取り上げられてたわけだから、百くんが処分してたら取引は成立しなかった。

いや、Aの事だ。百くんを守るなら少しの無茶位するだろうな。

・・・俺が千を助けた時、同じように俺を助けようとしたみたいに。

「まあ、Aは後でたっぷり説教するとして・・・」
『えっ?万からも説教されるの!?』
「する。」
『嫌だ。』
「おまえに拒否権はない。・・・あ!こら!」

Aがそそくさと立って、TRIGGERの所へ逃げた。

「子供みたいな事して・・・」

呆れてそう呟くと、百くんと岡崎さんが苦笑いをした。

「程々にしないと逃げられるよ。」
「逃げられまくってた奴が何か言ってるな。」

千とチクチク言い合っていると、龍之介くんとAが戻ってきた。

龍之介くんから月雲とやりあった話を聞いて、Aの気まずそうな顔を見ると、記憶のまま進んでるんだという事に気づくも、それでもなお、百くんや千を助けたかったんだという想いは伝わった。

【・・・確かに、月雲とやり合うよりは、利口になったとも言えるか。】

成長してるんだと思い直すことにした。

飲み会が終わって、紡さんがIDOLiSH7の子たちを乗せて、Aと俺はタクシーで同じ方向に行く。

説教はしないけど反省しろと言うと、神妙な顔で頷いてくれた。

Aをマンション前でおろしてから寮に行く。
寮周辺を確認してから、皆に寮に入ってもらった。

この時は、Sakura Message関係以外で、裏で何が起こってるか、わかっていなかった。

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作者名:miz | 作成日時:2019年12月2日 8時

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