説得漫才 〜千side〜 ページ49
「説得されちゃった!」
『私が呆れて、終わった。』
「え?呆れてたの?信用しそうだったんじゃなくて?」
『誰でも百みたいに軽く説得されないよ。』
「待って!?それ、オレがチョロいみたいに聞こえんじゃん!」
『千限定。間違ってる?』
キョトンとしたAが聞くと、モモは一拍置いてから、間違ってる!と言った。
「Aとバンさんにも説得されちゃう!」
とにかく、と、おかりんが眼鏡のフチを持ちあげながら口を開く。
「ヤスさんは厳しそうで良いですけど、百くんは簡単に落とされないで。千くんは顔面とボディランゲージに頼ったんじゃないんですか?」
『その通り。』
「じゃあ、次はボブで練習するよ。」
『ボブは日本語あんまり分からないから、私を落とせてからじゃない?』
「Aを落とすなんて簡単だよ。僕の婚約者だし。」
『それ、前提からして間違ってる。』
え?婚約者じゃないの?
・・・・・・夢?
そんなバカな。
「え?プロポーズしただろ。」
『・・・なんか変な方向に考えが行ったりしてないよね?そういう意味じゃないよ。説得相手は、プロデューサーでしょ。私を説得してどうするの。私をプロデューサーだと思わないと。』
「そうですよ!でなければ練習になりませんからね!そんなことより・・・」
おかりんが、Re:valeのブラホワ出場が、今年はないかもしれないと言った。
去年の総合優勝なのにとか、ヤスは最後なのにとか言ってると、3年連続総合優勝したから、殿堂入り扱いにして、他のアーティストのためにチャンスを作るとか言っていたらしい。
『私の、抱きたい女は、殿堂してくれなかったのに。』
「月雲のなんとかさんが、暗躍してるんじゃないの・・・?」
「自分も喉まで出かけましたけど、さすがにはっきりとは言えませんでしたよ。」
・・・モモは、僕とAが心置きなく結婚に向かえる為に、12月中旬には解決したいと言ってくれたのに、既に目の前だ。
遅れている原因は、僕だ。
「・・・はあ・・・僕が坂本龍馬になれれば、もっと早く片がついてたのかな・・・」
志津雄さんから、ハッピーアワーはどうなってるか突かれちゃって、星影の一部が勝手に動こうとしてるらしいし、いい加減、僕が折れればいいんだろうけど・・・。
でも、クソムカつくし・・・
そうこぼすと、モモは、折れなくていいと言った。
「ありがとう。モモも偉いよ。昔みたいに、僕に内緒で、月雲に会いに行こうとしなくなった。」
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作者名:miz | 作成日時:2019年10月17日 8時