笑顔のキミが好き【千】 5 (ページ40)

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スクープ　～千side～ページ40

僕とヤスの同棲や、Aをモモと取り合ってるとか、他の女優との恋愛に、ヤスの厚塗りメイク。

半分本当、半分デマ。

いちいち目くじらを、たてるわけにいかない。

ヤスの両頬に、モモと僕でキスする写真と、僕がモモをお姫様抱っこして、持ち上がらない分をAが支える写真をSNSに載せると、事態は終息に向かっているかに見えた次の日。

ドラマ制作発表のために早起きした。

『千～･･･遅れるよ？』

「昨日も遅かったんだけど･･･」
『また寝れなかった？』

Aが僕の髪を撫でる。

一緒に住んでいるんだから、バレていて当たり前なんだけど。

新曲を作ってるなんて言えないな。
何で同棲一時解消しないんだって言われそう。

Aの仕事は午後からだし、1人で行くかと体を起こした。

｢大丈夫。行ってくる。｣
『じゃあおにぎりだけ持ってって。』

軽くキスをして、制作発表会場へ向かった。

｢千さん、主演ドラマ制作発表、おめでとうございます。巷を騒がせている、熱愛報道ですが･･･｣
｢ありがとう。ノーコメント。｣

｢千さん！Aさんとは以前も噂になりましたが、同じ出身地な上、同棲との噂も･･･｣

【Aの姿で、僕の家には入ってないはずなのに･･･】

｢ノーコメント。｣

｢千さん！百さんとヤスさんと組む前に、大怪我をした相方を見捨てて、デビューしたという話は本当ですか？｣
「ノーコメ･･･。」

ん？大怪我した相方？

「･･････は･･･？」

スッスッと、ノーコメントを貫いて会場に向かっていたのに、思わず止まってしまった。

呆気にとられている僕をよそに、これ幸いとばかりに、その記者はRe:valeのイメージと違うやら、実際はとか言ってる。

万のことを言ってるのはわかった。
Aとの熱愛は聞かれるのに、AがRe:valeだったことが表沙汰になっていない。

【万のことだけ･･･】

「･･･ノーコメント。通して。」

【あいつか･･･！】

怒りが沸々と心を占める。
何とか冷静を装って、会場に向かった。

午後からのライブ練習。
モモは僕と目を合わさず、会話もしてくれない上、見てる分には空元気。
Aは、報道を知らないわけがないのに、いつも通りに見える。

練習を終えると同時に、モモは飛ぶように帰ってしまった。
僕もツクモに乗り込んでやろうと思って、金属バットを取りに事務所へ行こうとすると、Aが、おかりんと凛太郎と僕に話をしたいと言うから、ボブも含めて事務所へ行った。