笑顔のキミが好き【千】 5 (ページ34)

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彼女の行動　2　～千side～ページ34

TRIGGERの所に行ったAは、龍之介くんと一緒に戻ってきた。
龍之介くんが月雲に偶然会った話を聞く。

Aが気まずそうにした。

記憶通りの出来事っぽいけど、TRIGGERの頃より無茶してないとも言えるからいいか。
と思ってる中、モモと万はAを睨んでる。

あの２人は、記憶通りに事が起こると思ってるんだろうな。
Aは、もうそう思ってないんだろう。

だから動いたんだ。

【変えるためじゃないのか。】

モモを確実に助けれる方法を考えた結果なんだろう。
誉められた事ではないけど、僕がAのように出来事が分かってたら、同じように行動したか分からない。

きっともっと早くにモモの家に行って、月雲に会ったかもしれないし、そうしたらそこで月雲を脅して解放させようとしたかもしれない。
でもそれで、あいつが頷くような奴にも思えない。

【Aと龍之介くんがいて、良かった。】

心の底から、そう思った。

飲み会が終わると、モモが僕の家にしばらく泊まるという事になった。

「ええ！？ユキとAが一緒に住んでんのに！？」

Aと顔を合わす。

『･･･私、自分の家に帰ろうか？』
「いや、３人一緒に泊まった事もあるから。何もしないから一緒に寝よう。」

真面目に言ったのに、Aは眉間にしわを寄せた。

『わざわざ言うところが嫌。』
「え。手、出していいの？」
『は？』
「ややや、やっぱオレ、自分ちに･･･」
「『それは止めて。』」

結局３人で僕の家に帰った。

・

次の日、ユニバーシアードのテーマ曲のオファーが来て、すぐにイメージが湧いたから、Aには自分の家に帰って貰うことになった。

出来るなら、一緒に僕の家に帰ってほしかったけど。
Aは曲を知ってるだろうし、僕が作る時は家に来ない約束。

星巡りの観測者の撮影も今日で終わり。
アルバムの曲も他のアーティストに一曲頼む。

一晩でデモまで作り上げ、モモに聴かせてイメージを膨らませて貰う。

その次の日には、モモは作詞に取りかかり、僕は前回全部聴けなかった、僕の誕生日用の発売曲の選曲。

数枚になったディスクを流しながら歌詞も見ていった。

「･･････これ･･･」

「千さん、どうかしましたか？」

「あ、いや･･･」

【この曲は、僕は作らないタイプのメロディだ。でも、それよりもこの歌詞･･･】

まるで、万やモモ、そしてAに、僕が伝えてるみたいじゃないか･･･？

そんな事を思った曲があった。