検索窓
今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:23,032 hit

愛される資格 ページ1

千からの4つの条件の後、提示された5つめは、半同棲だった。

「ここは、僕の家に帰る時以外の日に、帰ってくればいい。それ以外は・・・一緒に暮らそう。僕には、Aが必要だ。曲の記憶がなくなるまで、今まで以上に会えないなんて僕が嫌だ。」

・・・・・・いいの?

私、もう、千に愛される資格なんてないと思ってるんだよ?
まだ想ってほしいなんて、贅沢じゃない?

“負い目や引け目を感じて欲しくない。”

だとしても。
恋人として付き合っていく事は、また別問題だ。

愛される資格が、どうしてあると思えばいいの。

『・・・・・・本気なの?』

「本気じゃないと、ここまでしないよ。」

千が鞄から茶封筒を出して、中から1枚の紙を出して、テーブルに広げた。

「婚姻届だ。おかりんにはサインを貰っている。」

【ここまで、気持ちが変わらないって言ってるの・・・?】

信じられなくて呼吸が浅くなる。
唇が震える。

千が百に、証人欄に記入してと言った。

「今すぐじゃないよ。こうでもしないと、Aは僕にずっと負い目を感じるかもしれないでしょう。恋人でい続けるなら、対等じゃないと意味がない。」

確かにそうだけど。

【・・・千が好きだから。だからこそ余計に、愛される資格なんかないと思っちゃうよ・・・】

私の思いを口にする事もなく、千は続けた。

「こんな紙切れ1枚で、気持ちが揺るがないとか信用しろとは言わないよ。こればかりは、前以上に愛し合っていきたいと思う。だからAが不安にならないための約束だ。Aの、“気持ちは変わらないでとは言わないけど、どう思うのか知りたくはある”という言葉の答えだ。」

『私・・・ここまでされる程・・・』

愛されるような人じゃないよ・・・?

私の言葉に、千の目つきと口調が厳しくなった。

「それはどういう意味。自分を否定してるのか。それとも僕に対して恋愛感情よりも、メンバー愛や負い目の方を強く感じるから?ただ付き合いが長いから情があるだけか。・・・・・・Aは僕とこれからどうなりたいの。・・・僕はAと恋人でいたいし結婚もしたい。僕以外の誰かがAに触れるなんて絶対に嫌だ。」

【どうなりたい・・・そんなの、決まってる。】

千が百から婚姻届を受け取って、ボールペンを持って、震える手を反対の手でおさえながら書いている。

・・・どうしてここまでするの。
先端恐怖症なのに。

『・・・っ』

こんなに愛されてたなんて
私、分かってなかったよ・・・

君じゃなきゃ・・・ 〜千side〜→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
199人がお気に入り
設定タグ:アイナナ , Re:vale ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miz | 作成日時:2019年10月17日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。