笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ40)

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ジムでプール！　3 ページ40

私もクロールにするかと思って泳ぎ出す。

【うん。だいぶやってない割には、体はちゃんと覚えてるもんだな。】

25メートル泳ぎ切って、ゴーグルを上げて百がいる方を見た。
めっちゃ笑顔で手を振ってくれてる。

途中で疲れたのか、千が歩いて来た。

「よく25メートル泳げるね･･･」

『これ位、千も出来るようになるよ。』

話してると、百が泳いでやってくる。

しっかりしたキック力だけど、水しぶきも立ちすぎることもなく、でもダイナミックさも感じて、あっという間にこっちまで来た。

【すごい。格好いい･･･】

「ぷは･･･っ！ユキ、25メートル目指そうよ！Aは50メートルいける？」

「25メートル･･･」
『50メートル･･･』

千と一緒に、苦笑い。
百が千に付き添って、じゃあ半分だけ泳ごうと言って、真ん中に立った。
そこまで泳ごうって事だよね？

まあ私も泳ぐかと思って泳いでいると、隣のレーンの百の足がゆっくり移動している。
もうちょっとだよ！頑張って！って言いながら。

私は25メートル泳いでターン。

【流石にしんどい･･･】

次第に力が入らなくなる。

「ユキ！やった！25メートル泳げたよ！！」

百の声が聞こえて、自分も頑張ろうと思って、何とか泳ぎ切った。

【つ、疲れた･･･】

プールサイドに上がると、百と千が来る。

「Aも頑張ったね！凄い！50メートル！！」

『あはは･･･はあ、超しんどい･･･』

「ユキもAも、サイコーにクールだよ！」

百が満面の笑顔で言った。
じわじわと心が温かくなる。

「『ありがとう。』」

千と一緒に、笑顔で百に応えた。

もう少し泳いでからシャワーして着替える。
ドライヤーで乾かしてから出ると、２人共イスに座って待ってくれていた。

３人で近くで食事して、帰ると思いきや、百が言った。

「楽パパの所に行って。ユキ。来てってラビチャ来た。」

「分かった。」

【･･･ん？この流れって･･･もしかして･･･】

記憶を辿る。

『ねえ、ツクモの社長って次男に変わった？』

「ああ、変わった。了さんだよ。この前就任パーティあったみたい。下岡ちゃんから聞いた。」

百がスマホを弄りながら答える。
珍しい。
手も繋がない。

「下岡さんもツクモの人だからね。」

『そうね･･･』

そうか。
じゃあ、もうそろそろTRIGGERが危ない。
早く準備しないと･･･

TRIGGERが音楽祭に出れなくなると、衝撃を受けるのはTRIGGERだけではない。
私達も。
ファンも。
ZOOLもだ。