笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ35)

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異常事態　3　～百side～ページ35

皆で、ひとみちゃんの話を聞いて、説得した。

オーナーやシェフも、ひとみちゃんの近くにいるらしくて、扉を開けてくれると言ってくれた。

【良かった。Aも問題なく来れる･･･】

「おかりん、A終わってるよね。向かってるかな？」

「そうですね。駅からちょっとありますし、タクシーならそろそろ着くでしょうか。」

時計を見ながら言った。

ひとみ「あ･･･っ！」

陸「どうしたの！？」

「なんか、変な人たちが来た！オーナーが倒れてる･･･！」

皆で顔を合わした。

一「まさか、鞄の持ち主が、鞄を取り返しに来たんじゃないですか？マスター室を乗っ取る機械なんて、善良な一般人は自作しません。犯罪計画を立てていたに違いありません！」

「ハリー･アップ、ヒトミ！今すぐどこかに隠れて下さい！大人に見つからない、狭い場所へ！」

「･･･きゃあ･･･！！」

【！！】

ザザッと機械のノイズ音がして青ざめた。

「まずい･･･小鳥遊社長もAも、これから来るのに･･･！」

オレの言葉に、大和が入り口の方へと歩き出す。
オレも続くと、ユキが止めた。

「ユキ！止めないで！」
「千さんはそれでいいんですか！あいつがもし、犯人と鉢合わせたら･･･っ」

「ここにいる誰かに何かあったら、それこそAは自分を責めるよ。」

ユキの言葉に何も言えなくなった。
ユキがそうだったのを、知っているから。

ザザッ･･･

「･･･みんな、大丈夫！？」

その声に全員が顔をあげる。

「お父さん！」
「社長！」
「小鳥遊！お前なのか！？」

「遅れてごめんね。ヤスくんを乗せて来たよ。到着した途端、女の子が変な男に追いかけられてたから。」

「社長もヤスさんも、ご無事なんですか！？」

「大丈夫！一本背負いで放り投げた！」
「社長、イケメン･･･！！」

バンさんの笑顔に驚く。

「バンさんがオレみたいに･･･」

『今縄で縛ってるから安心して！』
「A･･･」

大和がホッとしたように呟いて、肩を落とす。

「ヤス！え？縄？」

『ホームセンター寄って貰って、買ってから来た！』

【･･･って事は･･･】

バンさんと目を合わす。
お互いに笑った。

記憶にあるか、日記帳を見て知ったか。
何にしろ、Aは全部知ってたということだ。

店内に戻りながらバンさんが話しかけてきた。

「たまに予告して欲しいよね。」

「あはは。分かります！でもわかったら面白くないですから。」

バンさんが微笑んで頷いてくれた。