笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ22)

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お忍びでお祭りページ22

【なんかくすぐったい･･･】

目を瞑ったまま手で、顔に当たるくすぐったいのを手で避けても、また顔に何かがあたる。

【何、これ。】

むんずと、くすぐったいものを掴むと、百の声が聞こえて目をゆっくりあけた。

「いたたた！痛いよA！髪の毛引っ張ることないじゃんか！！」

『いや、くすぐったくて･･･髪の毛だったの･･･』

「あ、くすぐったかった？･･･おはよ。」

百が照れたように笑う。

かわいい。

百の髪から手を離して、撫でる。
私もつられて笑った。

『うん。･･･おはよ。』

「へへ。いっぱい顔に、ちゅーしてた！」
『･･･は？』

「だって全然起きないしさ。ずっと見てるのもいいけど、こう･･･可愛くてムラッとして、気づいたら･･･」
『寝てたのに･･･』
「あ、いや！流石にそれ以上は･･･」
『当たり前です！』

百の頬を軽くつねって背中を向ける。

「ごめん～！」
『もうちょっと寝たい･･･』
「いいよ！寝てて良いよ！あ、体しんどかったのに起こした？」

『いや、まあ･･･』

なんと答えたらいいのか迷う。
しんどいのはしんどいけど、動けない訳じゃない。
むしろ眠い。

『何時？』
「8時。えっと･･･9時間位寝てるはず。」

百がさらにボソッと小さく、多分それ位だったはず･･･と言った。

『･･･お腹すいた･･･』
「かっ、買ってきます！晩ご飯食べてないもんね！？ごめんなさい！！」

百が急いで着替えて、帽子にサングラスをかけて「行ってきますのチューしたかったー！」と言いながら玄関へ行った。

『ぶ･･･っ･･･ふふ･･･』

言うならすればいいじゃん。
てか、すぐ帰ってくるだろうに。

･･･それとも私が寝ると思ってゆっくり帰ってくるかな？

とりあえず着替えて、リビングのソファで寝る。
百が帰ってきたら起きよう。
そう思ってた。

次に起きたのは10時半だった。

【ブランケットかかってる･･･】

「あ、起きた？ご飯食べる？パンとスープとサラダ！」

『･･･食べる･･･』

ボーッとしたまま、フラッと洗面所へ行って顔を洗った。
リビングに戻ると、ホットドッグとコーンスープにサラダ。

意外とちゃんとしてる･･･

「フランクフルト買って切った！コーンスープは鍋で温めたし！」

百が笑顔で言う。
褒めて褒めてと尻尾を振ってるみたいで可愛い。

『凄い！百、ちゃんと出来るね。ありがとう！』

百の笑顔が、更にパアッと明るくなる。
いただきますと言って、２人で食べた。