笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ18)

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僕らを届けよう　4 ページ18

記憶が流れた中学1年生から3年までの間で、記憶にある分は既に全曲、楽譜におこした。
やり終わった後で、持ってたらダメだと思った。
これは、自分のためにも千のためにもならない。

レールの上を歩くように曲が出来るのは避けたい。
なのに、レールの上を歩くように曲が出来て欲しいとさえ思ってしまう。

すべての曲が、大好きだから。

知識も経験も浅かったから、おこした楽譜はきっと、実際にある本物とは聞こえ方が違うと思うけど。

だからこそ、音楽学校を選んだという理由もあった。

楽譜は、鍵付きのケースに入れて、納戸の棚の、一番上の奥に置いている。

どうしても見たくなった時は、本当にどうしようもない程の事があった時だと思うから、その時はケースごと壊せば良い位の気持ちで、鍵は捨てた。
どうしようもない程の何かがなければ、日記帳の内容が全て終わってから楽譜が入ってるケースも壊せばいい。

【きっと記憶のまま不器用に掘りおこしてみただけだったから、今あの楽譜のまま弾いて聴いたら、拙く聞こえるんだろうな。】

そう思いながら、千がいる部屋へ戻った。

戻ると千に楽譜を渡された。

「弾いて。」

『ふふ、凄い眠そう。』
「眠いよ。」

言いながら楽譜を見る。

【うん。サビはそのままだな。】

時計を見る。
結構な時間。

『ちょっといじっていい？』

「まずは僕が書いたの弾いてからね。」

笑って、千が作ったのを弾いた後で、半音上げたり、ちょっといじる。

「･･････ムカつく。」

「『ダメだった？』」

「良いからムカつく。」

ムスッとした顔の千を見て、百と笑った。

デモを作ってTRIGGERに提出。
後は歌詞の完成を目指す。

「後で、誰がどこ歌うかも決めないとね！」

「モモ、それは後でいいよ･･･」

「ユキの歌、歌うの楽しみ！！」

『じゃあ皆に聴かせるのは、２人で歌ったら？楽譜と歌詞カード見せながら曲聴かせるだけじゃなくて、歌ってんの聴かせたら良いんじゃない？』

「やった！一番に歌える！そうしよう！」

百と千が主に歌詞を考えてる間に、エレクトーンで音を取る。

【そう言えば、頭にあった曲、おこしてないな･･･】

ノートとペンを取って、新しく楽譜に書いていく。

『～♪』

【明るい曲。これもテーマに合いそう･･･ここがリピート。歌詞は･･･】

頭に浮かんでくる曲を、そのまま楽譜におこしていた。