笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ12)

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カレーとご飯　3　～百side～ページ12

そう言うと環もナギも家での経験を話し始めた。

「俺も洗濯物洗うのに、洗剤の量に決まりがあるのは知らなかった。りっくんもガスの元栓とか知らなかったし。」

「ワタシは世の中は、１人1部屋しか使えない方が多いのを知りました。」
「いや、俺、1部屋貰えんの夢みたいだったけど。」

【ナギが凄い事言ってる･･･本当に何者･･･】

チラッと、Aなら知ってそうだと思ったけど、オレの為に囚われすぎないって言ってくれた気持ちに水を差すような気がして、考えるのをやめた。

「家から出てから初めて知ることって多いよね。恵まれてたなーって思った。でも、出てハッピーになれた事は物凄く多くて、これからも続けばいいなって思うよ。」

「YES。ワタシもそう思います。」

「俺も。」

炊飯器のスイッチを押して、３人でハイタッチをした。
オレが背伸びをする形になったけど。

「よし！じゃあモモちゃんは、愛しのハニーを守りに行きます！」

「ももりん。」
「ミスターモモ。」
「「ファイト！」」

オレは笑って、Aとユキがいる部屋へダッシュした。

「あ、百さん。そろそろヤスさんを呼びに･･･」
「天！いや、怖がってるんだから、オレが傍にいる！」

「百さんは係が終わったんでしょうけど、ヤスさんはまだなんですよ？」
「いいじゃんか！」
「良くありません。」

「ユキ、ヤス！ご飯出来たよ！」

開いたドアめがけて走りながら言った。
天が説得して、Aが皆がいる部屋へ向かう。

【悔しい･･･】

「甘やかすだけが愛情じゃないとボクは思いますよ。」

「分かってるけどさ。」

「･･･甘えて欲しいなら、言えば良いじゃないですか。恋人でしょう。」

「言って甘えてくれる人なら、既に言ってるよ･･･」

トホホと思いながら歩いてると、天が止まった。

「天？」

「･･･ボクも甘えるのは下手な方ですよ。だから、あの人の気持ちは何となく分かります。だから既に、百さんだけに甘えてる部分があると思いますよ。」

天はそう言って、また歩いて部屋へ向かう。

【オレだけに甘えてる部分？】

記憶？
いや、あれはバンさんも知ってるし。

んん？
頼られてるーって実感する時、あんまないけど？

好きーって想われてる実感はあるけど。

部屋でご飯食べながらオレから離れなかったAを見て、可愛すぎて思考が飛んだ。

「鼻の下、のばしすぎ。」

ユキに注意されて鼻を元に戻した･･･はず。