笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ8)

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オフタイム(恐怖からの避難) ページ8

『あ！百！ジャガイモの芽は必ずしっかり取ってね？野菜の皮はキチンと剥くんだよ？ピーラーとかあるはずだから！！』

私から手を離した百に言うと、百は笑顔になった。

「あはは！怖いよりも、そっちに必死になってんじゃんか。･･･厄除け効いた？」

百の手がまた、サラッと私の顎を掬うように触る。

格好良くてドキッとした。

『あ、えと･･･』

また百の顔が近づきそうになった時、コンコンとドアのノック音が鳴ってビクッとした。

千「まだ？」
「今行く！」

百はポンポンと頭を撫でて微笑む。

「残念。後でね？」

百が出ていくと同時に、千に、着替えたら開けてと言われて頷く。

【すっっっごいドキドキした･･･】

百が今日は一段と優しくて男の人っぽい。

私が怖がってるのもあるけど、全部安心させようとしてくれての言動だと分かる。

手へのキスも厄除けも、恐怖のドキドキじゃなくて、百へのドキドキに変えてくれる。

今までだって、いっぱいドキドキしてきたけど、こういう、いつもとは違うさり気ない事でドキドキさせられるのが1番クる。

【うう･･･すごい好き･･･】

もー、すんごい好き。
なに、あのイケメン。
めっちゃイケメン。

あれで惚れない人いるの！？
いや、彼女だからの態度でしょうけど！！

･･･うわ、幸せって怖いな。
彼女でいいんかな、こんな面倒くさいの。
こんな怖がり。

とりあえず着替えて、ドキドキしたままの感情で、ドアを思い切り開けた。

ゴツっ
「いった！！！」

『･･････あ、ごめん。忘れてた。』
「ひど！」

千が背中を擦りながら涙目で私を睨む。
どうやら座っていたらしい。

「なんかスッキリしてない？恐怖どっかいったの？」
『え？･･･あ。』

思い出した。

「ついでにメイクも忘れてるよ。」

千が私の手を取って部屋へ入れる。

一瞬で現実に戻った感が半端ない。

【ああ、もうちょっと何も考えないでいたかった･･････】

メイクをしてる私の隣に座った千が言った。

「モモが行ってから、楽くんと一織くんの悲鳴が聞こえたよ。」

『千は、スプラッタじゃないから平気？』

「いや、まあ見えないし。でも肝試しやるみたいで、壮五くんは縄と血糊とか言ってたな。」
『うわ。』

逆さ吊り及び血糊まみれの、そうちゃん･･･
恐怖でしかない。

本物より平気か？
いや、どっちも駄目。

真っ青になりながらメイクをし続けていると、千がこっちを見た。

「曲、愛とか言ってたけど、どうしようか。」