笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ20)

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僕らを届けよう　6　～百side～ページ20

『じゃあ、もう一曲。こっちはカップリングの予定だよ。』

壮「えっ！？もう一曲作ったんですか？この短時間で！？」

「ヤスが１人で作ったんだよ。降って湧いたらしくて。」

ユキが言いながらデモを聴かせた。
聴き終わると、さっきと同じように皆がわく。

一「いつものヤスさんが作曲するのとは毛色が違いますね。」

「俺、これもサビんとこ歌いたい！」

「皆歌いたいんだって言ったじゃねーか。」

「ヤスさんは、いつも降って湧いて作曲するタイプでした？」

天が不思議そうにAを見る。

『いや、違うんだけど、今回は自分でも分からないんだけど･･･』

【降って湧いたように出来た曲･･･】

未完成な僕らも、Aが口ずさんだ曲がきっかけで完成したって言ってた。
でもあれは、Aの不注意だったってのは、オレとバンさんは知ってる。

じゃあ今回のももしかして･･･？

でも、未来にある曲を、Aが分かってて出すような事はしないだろうし。

“本編と特別編以外の記憶はない。”

ゲームって事は、イベントとかもあるよなあ･･･
限定の曲とか？
良いのか？出して。

“百がいない確定された未来より、百がいる未来を選ぶ”

【･･･だとしても。】

「ヤス。ヤスが作った曲、記憶にあるやつじゃない？」

レコーディングがある前に何とかしないとと思って、帰りのバスで聞いた。
皆寝ている。

『え？･･･いや、記憶にはない。』

「忘れてるだけって事は？未来の物じゃない？」

Aが青ざめた。

『え･･･分かんない･･･』

「頭にあるのを形にするだけだって言ってたから気になったんだよね。」

『でも楽譜はもう･･･』

「じゃあ曲名をつけよう。それなら日記には書いてただろ？」

Aは、コクンと頷いて曲名をつけた。

「明日は一日中みなさんオフですので、ゆっくりお休みください。」

マネ子ちゃんの言葉を聞いた後で皆それぞれ家へ帰る。
オレはAの家へ一緒に行った。

洗濯機に洗濯物を放り込んでお風呂のお湯を入れる。

寝室からAが出てきた。
俯いているから心配。

「どうだった？」

『百の言った通りだった･･･でも･･･』
「でも･･･？」

顔を上げて、Aは笑う。
ドキッとした。

【あ･･･凄い好きな顔･･･】

『思い出した！凄く世に出したいって思ってた、過去の曲だった！』

Aはオレに抱きつく。
ホッとして抱きしめ返した。

曲名は･･･“Welcome,Future World!!!”