笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】2 (ページ9)

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万を好きになったんだろうと思うも、妹の立ち位置の私には、どうしたら女の立ち位置になるのか分からない。というより･･･

【万は、つむちゃんが好きだもんね･･･】

分かる。
分かるよ。
紡は可愛いもんね。

【私が唯一勝てそうなのはヤスの色気･･･？いや、そもそも万の好みじゃない。】

IDOLiSH7のNATSU☆しようぜ！の動画削除を小鳥遊事務所でやってる時に、そのまま言うと、万は苦しそうな顔をした。

「俺、は･･･」
『つむちゃんが好みなんでしょ？知ってるよ。』

こんな事、言いたくないよ。
でも、違うって言葉を、少しでも自分に希望を持ちたかった。
でも無理だろうなと思ってた。

ところが。

「紡ちゃんは違う。恩人でもある音晴さんの大事な娘だから気にするけど、それ以上でもそれ以下でもないよ。」

『え？』

【否定した･･･？】

しかも真面目な顔で。

でも、苦しそうな顔は何で？
紡が万じゃないと思ってるから？

万の真意は分からなかった。

・

パソコン処理もメドがついて、何かお礼をと言ってくれた。
オフの日が近い。
加えて、9月には万の誕生日もある。

【毎年ケーキとかだもんね･･･でも万が欲しいものって分からないなぁ･･･】

リサーチにいいかもと、買い物に付き合って貰う事になった。

デート？
いやいや、友達と買い物しに行くだけ。

小鳥遊事務所近くの喫茶店で待ち合わせ。

【どうしよう、服･･･】

いつものようなの？
変装はどの程度？
百の家に行く時みたいな？

いやでも、折角だしなぁ･･･

百と外で会うときに、紡から無理矢理着せられたワンピース。
これなら私のイメージもヤスのイメージもない。

私が写真を撮られたら、百にも千にも、万の事がバレる。
それは一番避けたい。

時計を見ると、もう出ないといけないような時間。
万なら早く着いてるはず。

千も百も、天も可愛いって言ってくれた。
少しは万に、かわいく映ればいいなという想いも込めて、ワンピースに袖を通した。

喫茶店に着くと、万は私を見た後、テーブルに置いた自分の腕に顔を埋めた。

【うわ、ショック･･･】

何？
見たくない位に似合ってないの？

真っ青になりながら聞くと、万が顔を上げるて言った。

「いや、いいんじゃない？珍しすぎて驚いただけだよ。」

意味分かんない。

『驚いた？･･･驚き方が変。』
「いいだろ。」

驚くって、普通、顔を埋めたりなんかしないでしょ？

不安を残しつつ、喫茶店でお昼を食べる事になった。