笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】2 (ページ17)

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『えっ？えと･･･万が、理由がなくてただ会いたかったって言ったらどうする？って言われてから気になって、自覚したのは･･･』

言って良いのかな。
でも凄い聞かれたし、多分バレてるから良いよね？

『百に･･･告白された時。』

万の腕に、ギュッと力がこもっていくのが分かる。

「じゃあ諦めなくて良かった。Aは百くんと付き合うと思ってたからさ、諦めようと思ってたんだ。･･･でもAが、百くんへの感情は恋じゃなくなったって言うし、少しずつ押そうかと思ってて。何で百くんへの感情が違うの、気づいたか聞いて良い？」

【うう･･･】

この会話、私が馬鹿みたいじゃん。
人に告白されないと自分の気持ちが分からないなんて。

『言いたくない。』
「何で？」
『馬鹿っぽすぎる･･･』
「あはは、今更？」

『酷い！そりゃあ万ほど頭よくないけど！』

万から体を離すと、万は笑いながら言った。

「誰に告白されたの？」

【！！】

開いた口が塞がらない。

ああ、でもこういう人だった。
人をちゃんと見てる。

だから初めて会った時から暫くは、千の感情が読めない事が多くて万に助けられた事もあった。

諦めのため息を吐いて、ヤマさんだと答えた。

「もう一個聞いて良い？」

今度は万は、まっすぐ私を見る。
思わず姿勢を正した。

「俺と付き合うって事で良い？Aが俺と付き合うって決めたら、未来がどんな風になっても変わったとしても、それが理由では離してやれないと思うけど、その覚悟はある？」

【付き合う覚悟？】

『付き合うのに覚悟がいるの？』

聞くと、万が困ったような表情をする。

「前にAは言ったよね？記憶のゲームの登場人物で影響する人はいる。そこに俺は入ってないかって事だよ。紡さんと俺の関係をひたすら気にしていたんだから、影響するんじゃないかと俺が心配するのは自然だと思わない？」

【あ･･･】

そっか。
万は知らない。
がっくんと陸が本編で紡に思いを寄せる事も、口説くような素振りをする人がいる事も。

『万は、入ってない。特別編で誰とも付き合ってない感じだったのはあるけど、本編ではない。ラビチャでは、Re:valeがつむちゃんに変な事言ってないかのチェックは、してたみたいだけど。』

真っ直ぐ見て言うと、万がホッとしたように笑った。

「じゃあ･･･俺と付き合ってくれる？」

ギュウッと心が締め付けられる。

だって振られるって思ってたから。
万は、紡が好きなんだと信じてたから。