笑顔のキミが好き 【百】 16

“アイナナ警察2”　（天の一声） ページ48

家に帰って直ぐ本棚から日記帳を出した。

記憶がなくなってるなら、百と万と話した方がいい。
例え百が、なんとなく私を避けていても聞いてくれるはずだと思う。
だから最優先事項にした。

アイナナ警察2の資料を最初に貰った次の日から、今まで一言も相談がなかったのに、今日の態度を考えて、素直に話すような気がしない。

日記帳を捲ってアイナナ警察2の所で止まった。

【ラビチャの時系列、よく分からないからなぁ･･･多分ここら辺ってのは分かるけど、実際起こった事と自分が知らないだけとかパターンが色々あるし。】

読んでいくと思い出せる事に安堵を覚えた。

【でも･･････】

Twelve Fantasia Tourも読み返せば思い出せたのに、そのうち思い出せなくなった。
他に、知ってると思えるか、思い出せると思うかに分けて読んでいく事にした。

【意外とあった･･･知ってると思える事。】

ホッと息を吐く。

思い出せると思う事もあったけど、ラビチャがほとんどだし、この量なら大丈夫。

･･･百、起きてるかな？
最近寝不足なはずだから寝てるか、またラビチャしてるか･･･

今日の事も気になるから電話するも、通話中。

【取り敢えずお風呂入るか･･･】

寝る前にも電話するも通話中･･･。

･･････誰と電話してんの？長くない？

天かな？
ありえる。

スマホをサイドテーブルに置いて布団に入ると、いつの間にか寝ていた。


百瀬明日･･･っていうか今日、話出来るかな?完全にすれ違いスケジュールだけど、話したい事がある。



【夜中1時のラビチャ･･･あと１時間位起きていられたら良かった･･･】
A私もある。百が早く終わったら連絡してくれる?


今日のスケジュールは、百が朝からアイナナ警察で、私が夕方位からドラマ撮影。
最悪明日には会えるけど、出来れば今日話したい。

ラビチャの様子からすれば、きっとお互いにそう思ってるはず。
だけどその想いも虚しく、次の日になってしまった。

午前中、歌番組の収録。
時間よりだいぶ早めに楽屋に行った。

『おはよう！』

「あ、おはよう！ヤス！」

たった1日なのに、話したくて仕方なかった為か、会えることが凄く嬉しい。
百はスマホを置いて、笑顔で言った。
私も嬉しいから、つられて笑顔になる。

「あのさ、今日ユキが何言っても信じないでね？」


･･････ん？


なに。それ。


笑顔が固まった。

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