初めての月雲了の家 3 ページ5
「いいよ。また遊びにおいで、千、A。とびきりのサプライズもあるからね。」
「・・・サプライズ?」
「ないしょだよ。お楽しみに。」
この人が言うサプライズは多すぎて、どれを指してるか迷うけどZOOLの事かな?
『そうそう。忘れる所でした。これ、お土産です。』
「へえ。何だい?」
『わらび餅。・・・安売りですけど。』
安売りと言うと、少し目を見開く月雲了。
百を思い出すんだろうな。
「ふうん。モモと似たことをするね。ああ、人の好みを把握するのが上手いんだっけ。じゃあ僕が好きなのも分かるよねえ?」
ニヤッとされた。
【ダメだ。未来でこの人がどうなろうと、苦手なモノは苦手だ。】
「帰るぞ、A。」
千に手を引かれるも、グッと踏みとどまる。
月雲了をまっすぐ見据えた。
『ヤスは、あなたの思い通りにはならない。私と大和とは“もう”恋人じゃないから。』
後は、後々百が話すRe:valeの話を匂わす位ならアメになるかな?
そう思ってると、月雲了は感心したように言った。
「・・・へえ。じゃあ千と付き合うの?モモ?」
『視野の狭い考えね。』
どっかで聞いたセリフだなと思って、思わず呆れて言った。
千が、自分か百以外と付き合うなって言った時のセリフ。
月雲了の顔を見て、失敗だと気づいた。
眉がピクピク動いている。
「言うじゃん。さすがA。」
千が笑ってる。
この顔、めっちゃ嬉しそうっていうか、万と組んでた時に何度も聞いたし見たわ。
「僕をバカにしたな・・・」
『いや、言葉のアヤっていうか・・・』
【まずい・・・】
「さ、用事は終わった。帰ろう、A。」
「いいさ。お前にもサプライズを用意しよう。」
『全力で遠慮させて貰います。』
即答する。
当然だ。
何があるか、たまったもんじゃない。
返り討ちに出来る自信はない。
千が強引に手を引くから、月雲了の家を出るしかなかった。
『ああ、失敗した・・・』
千がタクシーを捕まえて2人で乗る。
「何が。十分良かったよ。演技も出来てたし、あいつを言い負かした。」
『ああ言うのは言い負かしたんじゃないよ。普通にツッコんだだけ。前に千に同じセリフ言われたのを思い出して口をついただけだよ。』
「言ったっけ?」
『言われた。千か百以外と付き合うなって。私は勝手だって言ったよ。』
覚えてないだろうけど。
「そう。でも僕はスッキリした。」
【百に謝ろう・・・】
機嫌が少し良い千とは対照的に、私は大きく息を吐いた。
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ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» if・・・九条天、公開しました!のんびり更新で申し訳ないですが、良ければどうぞ^^ (2019年8月1日 1時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 分かりました!気長にお待ちしております((。´・ω・)。´_ _))ペコリン (2019年7月22日 3時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» ありがとうございます^^どれかキリがついたら出そうと思います! (2019年7月17日 3時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 出来るんですか!?凄く嬉しいです!幾らでも待ちます! (2019年7月14日 13時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» エレノアさん、天くんsideは作成出来そうです。ただ、もう少し練った上で公開させて頂いてもよろしいでしょうか? (2019年7月12日 0時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年6月22日 8時