15（自覚） ページ16
その日はいつもの日常のはずだった。
朝、いつものようにご飯を食べて、テレビをつけて。
着替えながらニュースを見て。
その日は、テレビのニュースでヤスが出ていた。
Re:valeの初の全国ツアーで、正体不明だった3人目が登場したというニュース。
「うそ･･････。」
誰、これ。
聞いてないんだけど。
ヤスって事は、Aだよな。
こんな顔、知らない。
え？本当にAだよな？
【何で言わなかった？】
しかも千が物凄く好きそうなタイプ。
見た目がストライクで中身は元々から好きだから、千にとっちゃこれ以上の理想の人はいないだろう。
苛ついてテレビを消した。
見たくない。
【あいつ、大事な事って何で言わないんだろ。】
片手を額にあてて、ため息をついた。
【･･････いや、違う。】
大事な事を言わないんじゃない。
Aが言わなくてもいいと判断しただけだ。
俺が、Aに話して欲しかったと思った。
話してくれると勝手に思って、勝手に裏切られた気分になってるだけだ。
つまり俺が自惚れていただけ。
Aにとって、大事な男だと言われて。
俺だけに前世の記憶を教えてくれて。
何でも話してくれると思ってた。
ヤスだと言う事も教えてくれて。
記憶で苦しんでいる事も話してくれた。
【自惚れていた。･･･そうか。】
なんでこんなに腹が立つのか。
自分を頼ってくれていると思ってた。
それが違うだろうと、思い知った。
腹が立つんじゃない。
･･････悲しいんだ。
頼る相手が、俺だけじゃない事が。
【俺、Aの事が好きなんだ。】
「はは。･･･嘘だろ。」
あいつは百くんが好きなのに。
ずっとずっと、百くんが好きなのに。
「不毛だな･･･。」
また、ため息をつく。
有り得ない。
妹だと、妹みたいだと思っていたのに。
いつからだ。
“守りたいと思う”
違う。もっと前。
お兄さんと言われて切なくなった。
それより前･･･
“じゃあ･･･俺。”
口をついて出た言葉。
あれが本心だった。
顔を赤くしたAが可愛いと思った。
千と百くんが想ってるし、Aは百くんが好きだし、そんな対象にならないと思ってたのに。
気付きたくなかった。
こんな気持ち。
夫婦生活を思い出すのが気持ち悪いと言われて、顔も見たことがない男に嫉妬を覚えた。
Aに実体験などないのに、持って行かれたような焦燥感。
自分が、と心の隅に芽生えた気持ち。
「はぁ、困ったな。」
鞄を持って家を出た。
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ミズ ミズ(プロフ) - 南雲藍琉さん» キャラ掴み出来てますか？万の口調は千相手と夢主相手だと、ちょいちょい変わるので、ちょっとドキドキですｗ (2019年7月2日 6時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 万さんの小説ってだけでだいぶキてます。供給ありがとうございます……。 (2019年7月2日 0時) (レス) id: 95a4309a02 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» お待たせしました！ありがとうございます！よろしくお願いします！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - あいすさん» 読んでいただきありがとうございます！よろしくお願いします！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - 万さんルートありがとうございます！待っていました！！読んできます！！ (2019年6月30日 11時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年6月16日 10時
