笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ8)

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チョモランマページ8

「千くんお疲れ様！徹夜でデモを完成させてくれたんですね！」

「･･･眠い･･･」

「ここの壁によりかかって下さい！自分ちょっと行って、すぐ戻りますから！ヤスさん、廊下で行き倒れないように見てて下さい！」

『あはは。はーい。戻らなかったら楽屋行くよ。』

「分かりました！」

テレビ局の廊下。
おかりんに言われて待つ。
でもしばらく戻ってこないよね、知ってるよ。

【明日ジム行こうって言ってたな･･･私と千、午前中のオフしかないのに。】

流石に寝ていたいなあ、明日。

「仮歌は今日仕上げる。そしたらアレンジ･･･」

『分かった、分かった。今度こそ、ちゃんと手伝うから。』

「･･･絶対だからな。」

あ、寝た？
え？立って寝てんの？

千、器用だな。
あ、ぐらついた。

【さ、支えきれない･･･】

ググッと腕に力入れて頑張ってると、誰かの手がソッと千を支えてくれた。
このタイミングでこの流れって事は･･･

『やっぱり万。ありがと。』

「やっぱりって･･･千、立って寝てるの？ヤス、３人の宿泊手配ありがとう。助かったよ。」

『それは万もでしょ？』

「なんの話？」

「『あ、起きた。』」

「相変わらず朝弱いな。大和くん泊めてくれてありがとう。寝てないのか？」

おお、うまく話そらした。
というより戻した？

「･･･徹夜でデモ作ってた。」

「Missionの主題歌？百くんは一緒にやらないの？」

「なんでヤスはやらないと思うの。2人共そんなに口出さない。最初の形は、いつも僕だけで作る。」

「ヤスはな、昔からアレンジの方が得意だから。」

「･･･聴く？」
「なんで。」

「なんでってことないだろ。･･･もう、僕の歌に興味ない？」

「こういうことするな。ヤスはともかく百くんが気にする。製作中の曲に俺はもう口を出せない。完成したものはレビューサイトで評価するけど。」
「辛口なんだろ。」

「馬鹿。」
「『いつだって星5だよ。』」

言いたくなって言うと、千と万が驚いたように私を見た。

「なんでヤスが知ってるの。」

『え？だって万の家のCDラック、Re:valeの同じCDが3･･･っんー！んー！』

万の手が口に！！
力強いよ！
そんなに知られたくないの！？
3枚同じの買ってたっていいじゃんか！

千がちょっと勝ち誇ったような顔をした。

【あ、これが嫌なのか。】

「同じCD？･･････へぇ。」

万が私から手を離して小さく息を吐いた。

「･･･いいだろ。もうファンなんだから。」

「ファン･･･」