笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ41)

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5人で会食　4 ページ41

『何でしょうか？』

キョトンとして聞くと、迷ったように言いにくそうに口をモゴモゴさせている。

【あ、ヤマさんに似てる･･･】

いや、ヤマさんが志津雄さんに似てるんだ。

フッと笑うと、志津雄さんが私の表情に気付く。

「何だ？」

『いえ。笑ってすみません。少し、さっき言った人に似てるなって思ったので。』

志津雄さんが目を丸くした後、目を細めるように優しく笑った。

「やはり大和の話だったか。･･･僕は、大和を変えた人間を知っているよ。」

『星影のどなたかに聞いたんですか？』

「ああ。･･･IDOLiSH7と、君だよ。」
『え？』

私？

「僕は、大和と一緒ではなかったけれど、大和の10年以上の半分に満たない関係を持つ人間位は分かる。つまり言い方を変えれば4～6年位前から知り合っているという事だ。つまり1、2年の付き合いのヤスくんではない事も。1、2年なら少ししかと言うだろうしね。」

【なるほど。】

「あの頃、本当に大和は楽しそうだった。家にいない時が多かったのに、家にいることが増えて。･･･でもまた荒れた。君が行かなくなってからだ。」

【荒れた･･･。･･･私のせい･･･。】

告白を断った時だ。
でも仕方なかった。
ヤマさんの傍にいられる状況じゃなかった。

友達に戻りたいなんて、言えなかった。
でも、ヤマさんからそう言ってくれたから。
だから今、友達ではあるけれど。

「なぜヤスくんなのかは聞かないけれど、今も仲良くしてくれてありがとう。君やIDOLiSH7がいるから、大和は幸せなんだろうな。」

『あの･･･この事は･･･』
「誰にも言わんよ。･･･先に戻りなさい。」

志津雄さんが化粧室に入っていく。
ペコッと礼をして個室に戻ると、朝宮さんは上機嫌だった。

「ヤス。お帰り。」

百が笑顔で私を振り返る。
大分打ち解けている。

【さすが百。】

志津雄さんが戻ると、百が言った。

「朝宮さんが分かって頂けたのは良かったです。」

「僕では説得しきれない人も既にいる。後は君たちが知らない、暴露側の人間はいないのかな？いたらどうする。」

志津雄さんが腕を組みながら唸る。
皆黙ってしまった。

【引退の提案をするのは誰なんだろう･･･】

こういう先を読むのが得意なのは百だ。
百をチラリと見る。
考え中みたい。

「大物が隠れている可能性は？」

千が百に聞いた。

「これ以上の大物は、いないと思う。朝倉さんは、Aに任せたし。」

百の言葉で、志津雄さんと目があった。
微笑まれる。