笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ34)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:92,305 hit

第1回大和の打ち上げ話会　2 ページ34

【うわー･･･】

いたたまれない。

皆の驚いた視線。

あぁ、あぁ、ヤマさんなんて顔、真っ青だよ？
何言うか分かるだけに、私は知らない振りしていただけに、皆の視線が痛い。

「え？Aっち、オーディションが最初じゃねえの？」

『あはは･･･』

乾いた笑いしか出てこない。

千が昔のヤマさんの話をしてる。
出会い頭に年賀ってのし袋貰った話。

「･･･あんた新入りか？これ、パチンコで、すってこいよ。」

環「うわああ！ナイフみたいに尖ってる！」

陸「大和さん、そんなんだったんですか！？」

「やめろおおお･･･！恥ずかしさでしぬ･･･！」

「怖･･･と思ったけれど、更に僕を睨んで、Aを我が物顔で引っ張って行かれて唖然としたけれど、おかげで贅沢なお節が作れました。」

「『その節は大変お世話になりました。』」

「ええ！？もう既にお姉ちゃん、大和さんと出会ってたの！？」

「OH･･･我が物顔。」

「そこを強調しないで･･･頼むから･･･」

チラリとヤマさんを見ると、顔面蒼白で、ぶんぶん手と首を振ってる。
言うなってことだろうけど。

『えー･･･私は、千ほど衝撃的じゃないよ？』

あーあ、ヤマさん、耳塞いじゃった。

千の手を、ポイと離す。

『私も千と同じ人から、相手してほしい子がいると言われて行きました。部屋に行くと、男の子に会いました。』

あ、百が心配そうな顔で私を見てる。

･･･大丈夫だよ。
今からの出来事も会話も、ちゃんと覚えてるから。

『この子が相手する子なんだと思って自己紹介しました。その男の子は、私の方をチラリと見ただけで、興味なさそうに言いました。“俺の名前くらい知ってるだろ。”ちなみに、誰からも名前は聞いてませんでした。』

一「･･･何様ですか･･･」

陸「･･･っ俺様！」

「ホントやめて･･･」

『ムカついたので、部屋にある本を物色するのに集中して、おい、とか、あんたとか言われたけど、名前を呼ばれるまで会話しませんでした。』

天「ふ、Aさんらしい･･･ボクなら帰るけど。」

三「Aも大概だよな。」

ずっと黙ってた、がっくんが口を開いた。

「業界の大先輩って？誰だ？俺らも知ってる人か？」

ヤマさんに視線が集まる。
もうね、頑張ってとしか言えないよね。

「･･･。ち･･･千葉志津雄って人･･･。」
「千葉志津雄さん！？知り合いなのか！？すげえな！」

「･･････。そいつが俺の親父･･･」

ヤマさんが、力なく笑った。