笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ27)

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ヤスのMVドラマパート撮り　～百side～ページ27

いつものように朝起きて、ラビチャをチェックして返信して。
順番に見てると、大和の名前が目に入った。

【大和、大丈夫かな･･･】

電話するも、出ない。

今日、ユキも撮影で、Aは雑誌の取材とMV撮り。

【Aだけ、ドラマパートは別場所で撮るからなあ･･･】

三月の遅めの朝ご飯を食べながら思う。

「ごちそうさま！三月、いつもありがと！美味しかったよ。」

「いえいえ。こちらもお世話になってますし･･･って、何度同じ会話するんすか！」

「あはは！一織は学校行ったの？仕事？」

「学校です。」

「オレも出かける準備してくんね！」

片づけ終わって、今日お願いしにいく人を絞って･･････

今日の夜は、Aとの入れ違いでオレ達がドラマパートの撮り。
明日の日中もだな。
横浜とか工業地帯とか。あの辺･･･

【ああ、デートしたい･･････】

会えないと思うと会いたくなんのって、何でだろう。
明日早く終えたら、デート出来るかな。
明日のAの予定なんだっけ？

スマホを見ると、ＣＭ撮影。

【あ。これ、ウォータープルーフのやつ･･･】

ああ、もう。
今年も水着なのかな。
この会社だけ、ずっと色気重視してんだよな。
路線変えればいいのに。

オレが決められる事じゃないけど。

他社のは最近、爽やかさや純粋さも混じっている中の、チラリズム的な色気があって、むしろオレが思うAに近い。
Aは、世間では、純粋、明るい、演技がうまいって声が多くて、色気のイの字もないけど。

【ま、だから別人に見えるんだろうけど。眠い顔だけ見せなきゃ何の問題もないんだよな。】

危機感という意味で自覚させないと、危ないかも知れない。
Aの顔での眠たい表情。

ヤスの時はいいけど。

部屋を出て、三月に、行ってきます！と言う。

【あれ？】

「おっ･･･。三月、嬉しそうじゃん。いいことあった？」

「大和さんから電話があったんです。明日寮に戻るって。オレ達も明日戻ります。たくさん、お世話になりました！」

「解決したんだ！そっか･･･。良かったね！」

「解決っていうか･･･でも、はい！ありがとうございました！」

大和、話そうとしてるのかな。
凄い勇気いったろうな。

【良かった！】

誰かが嬉しそうだと、こっちまで嬉しい。

後は了さんの企みを潰すだけだ。

そんな事を思いながら家を出た。