笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ20)

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誤解じゃなくて･･･　2　～百side～ページ20

「それで？時間があったのに帰らなかった理由は？」
「う･･･」

ユキがコーヒーを飲みながら聞いてきた。

ユキは徹夜して眠いはずなのに。
大和も、もう家にいるはずなのに。

ぐるぐる考えていた事が脳裏をよぎる。

「Aには言えるの？それならいいけど。」
「あっいや！それ･･･は･･･」

言えない。
あ。でも。

この出来事、知ってるかもだし。言える？
でも知らなかったら？

【どっち～～！？】

「言えないなら僕に言って。隠さないで。」

ユキが優しく微笑んで言ってくれる。

【う･･･イケメン･･･】

おずおず口を開いた。

「ユキは･･･Aがバンさんの事黙ってて、ずっとAに文句言ってたでしょ。オレがAに、バンさんの事聞いてたって思ったりしなかった？Aがオレの事を好きだからとか、付き合ってるからだとか、情報通だからとか。」

ユキはキョトンとした後、ふわりと笑った。

「思わないよ。会うのが怖かったって言ってたって聞いてるしね。それに、万に再会した時のモモの反応は演技ではなかったと思うよ。」

「本当･･･？」

「僕が嘘をつくとでも思うの。」

「いや、そうじゃないけど･･･」

「けど？」

「バンさんは違うかなとか･･･」

「万？･･･万は黙ってた方なんだから、どうこう言う資格ないだろ。それに万も、再会したモモの反応で、ちゃんと演技じゃないってわかってるよ。」

【そっか･･･】

そっか。
分かってるのか。

ホッとして、体の力が抜けた。

「そんな事で悩んでたの。大丈夫だよ。もし不安なら万にも聞けばいい。そう言えば、夢の話も、僕が書いた計画書も、まだ万には話してないね。今度会ったら話そうか。」

ああ。
言ってない。
Aが苦笑いしてたから、躊躇して黙ってたけど。

ユキが言うなら、大丈夫かもしれない。
Aもやめたほうがいいって言わないから、大丈夫かも･･･知れない？
いや、Aは未来が変わるのを怖れたりもしてるから、言わないだけかも？

でも、バンさんに嫌われる未来はないんだろうな。
もしそうなら、何か言ってくれそう。

「うん。じゃあ、Aが持ってるノートとか、持ってきてもらおっか。」

「そうね。」

Aは、予定より30分遅く、やってきた。