最低の自分 〜百side〜 ページ16
了さんちに行って食事した。
「了さん、今日言ってたAの彼氏ってさ、大和の事でしょ？ヤスとどう関係すんの？」
いつもの悪趣味な挨拶の後、食べながら聞いた。
「あれー？そうか、モモは振られっぱなしだからね。誰からも教えて貰えてないのかい？」
「勿体ぶらないで教えてよー。今日、やっとヤスに会えたんだからさ。口説いたの？」
了さんは、意地悪そうに笑ってお酒に手をのばした。
「ヤスはそのうち、僕の所にくるよ。」
「それは前言ってた、Re:valeとTRIGGERとIDOLiSH7がツクモ所属になるって奴？」
「そうとってくれても良いよ。」
【そうとってくれても良い？そうじゃない理由があるのか？】
Aが了さんを物凄く嫌っているのは、きっと記憶に関係するんだろう。
どれ程の何をされるのか、オレには想像の域を出ないけど。
「それで？Aと大和とヤスの関係って？」
「同じ事務所なのに本当に知らないのかい？一部でしか流れてないよ。Aとヤスは同じマンションに住んでいる。一緒に住んでるかもしれないけどね。」
「えっ？」
【それだけ？･･･いや、言わないようにしてたんだから、それだけでも危ないか？】
オレの反応で満足したのか、了さんは笑った。
「あはは。驚いて声も出ない？愛しのユキは教えてくれなかったのかい？事務所で見ることもなかった？僕はモモが黙ってるんだと思ってたけど、違うなら別に良いよ。」
「なんで･･･」
「同年齢や同じ事務所というだけで、Aとヤスが仲がいいらしいからね。人と深く関わろうとしない、あのヤスが、Aだけとは仲がいい。興味もわくだろう？」
【やばい。危ない。】
冷や汗が背中に感じる。
悟られない様に笑顔で話す。
今日の事を話して、おだてて、社長になろうとするのを止めて。
Aとの待ち合わせ時間に間に合うように了さんの家を出た。
【ユキは帰ってるかな？】
電話するとユキが出た。
すぐにヤスとAが同じマンションに住んでるか一緒に住んでるかが、バレてる事を言った。
･･･「その話、誰かとしたな。Aとヤスが気が合うから仲がいいって。」
「えっ！？誰！？」
･･･「ええ･･･うーん。覚えてない･･･思い出すようにするけど。」
「あ！いいよ！無理に思い出そうとしなくても！仮歌やってんでしょ？頑張ってね、ユキ！」
そう言って電話を切った。
カフェに向かう途中で、知ってる背中を見つけた。
【あれ？大和だ。】
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作者名：miz | 作成日時：2019年6月4日 7時
