月雲了と初対面 2 ページ12
『私は・・・』
どう演じるのが正解?
月雲了の思うような?
それとも・・・
『私は必要とされています。エレクトーンの腕がある。』
「それは君が愛されている証明にはならないよ。・・・そのうち君は僕の所へ来るよ。・・・絶対にね。」
言うだけ言うと、月雲了は楽屋のドアを開けて言った。
「そうだ!ひとつ思い出したんだけど・・・」
そのタイミングで私も楽屋に入った。
月雲了が楽屋を出ると、百に寄って抱きついた。
「えっ!?えっ!?」
『もう、あいつ来ないから、ちょっとだけ・・・』
百は戸惑いながらもギュッと背中に手を回してくれる。
気持ち悪かったのが、流れるように落ちていくのが分かる。
百の心臓の音、凄い早いな・・・・・・
でも安心する。
月雲了と会った後は、会いたくなるって百が言ってくれる気持ち、わかる気がする。
「なんかされた・・・?」
首を振った。
「よくあんな男と付き合ってられたな・・・。だからあれほど言っただろう。変な連中と関わるなって。ヤスとあれだけケンカもしてきたのに。」
「こっちの台詞だよ!ユキだって志津雄さんにこき使われて、洗車や雪かきに行ってたでしょう?Aは大和と2人っきりだしさ!」
「あれは小遣いをくれる口実だ。志津雄さんは面倒見のいい人・・・」
「何が良い人だよ!ユキをパシって、Aの貞操の危機をみすみす許して、それが世界のチバだっていうなら、こんな世界ぶっ壊してやるって思ってたよ!」
百の抱きしめる腕に力が入る。
『貞操の危機・・・』
「当たり前でしょ!密室に思春期の男女が2人きり!想像しただけで気が狂うよね!!どんだけ考えないようにしてたと思ってんの!?付き合うとか恐れ多かったから言わなかっただけで!嫉妬で焦げそうだったよ!」
【前言ってたのは、自分の事だったのね・・・】
「まぁ・・・それは、僕も、思っていたかも・・・」
「でしょ!?」
ああ、そういや千は、しっつこい位に気をつけろって言ってたなあ・・・
私は、ヤマさんはそんな人じゃないって一喝してたけど。
「でも頭のおかしい派手男よりマシだ!」
あぁ、また言い合いが始まった。
私、もう抱きしめられなくても大丈夫なんだけど。
離れようと力を込めても、よりギュッとされて。
【百が離してくれない・・・・・・】
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作者名:miz | 作成日時:2019年6月4日 7時