笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ11)

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月雲了と初対面ページ11

楽屋を開けると、月雲了と百が言い合いしていた。

千葉サロン暴露。
ビッグネーム共謀者。
ヤマさんを説得。

【百、よく舌がまわるというか、頭が働くというか･･･】

私もうまくやらないとなあ･･･。

あ、こっちに気づいた。
うわ、千の顔、険しい。

「やあ！ユキは何度か会ったことがあるね。モモは君の自慢話ばかりだよ。それより、ヤスに会えるなんて感激だ！ツクモプロの月雲了だ。」

手を差し出してきたけど、私は体の前で腕を組んだまま差し出さなかった。

『Re:valeのヤスです。』

「モモ、なんの話だ？」

百が誤魔化そうとするも、月雲了が説明する。
百と千が言い合いしている。

「ヤス、君はあそこに参加しないのかい？」

『別にどうでもいいです。興味ない。』

「へえ、Aの彼氏に関係する事だとしても？」

【私･･･？ヤスと関係あるって何か知ってるの･･･？】

思わず月雲了を見てしまった。
月雲了は、ずっと百と千を見ている。

『･･･どういう意味？』

「･･･さあ？どういう意味だろうね。」

千が百の手を払う。

「･･･っ、ユキ･･･！」

「ワオ！すごいな！Re:valeの生のケンカなんて、2人で見物するのが勿体ない位だ。」

「･･･っ！出て行けよ！」

「ええ？これからなのに？」

「うるさい！出て行け･･･！」

月雲了が息を吐いて、私に呟くように言った。

「意味が知りたければ、ついてきなよ。」

【！！】

月雲了がドアを開ける。

『ちょっ･･･っ待っ･･･』
「ヤス、どこ行くんだ。」

千の声にビクッとした。

『･･･すぐ戻る。』
千「ヤス！」

出る時にチラッと百を見たら、心配そうな顔で見られていて、心臓がキュッとなる。

『ごめん。』

【同一人物ってバレてるかどうかだけでも、確認しないといけない･･･】

月雲了に続いて、楽屋を出た。

百の泣いた演技が聞こえる。

『意味、教えてくれるの？』

「あはは。美人が睨むと怖いねえ。ゾクゾクするよ。」

1対1になると、さっきは感じなかった月雲了の舐め回すような視線がまとわりつく。

･･････気持ち悪い。

「教えてもいいよ。君がツクモに来るなら。」

『え？』

「どうせモモとは仕事上だけの付き合いなんだろう？ユキもモモもAだけを見ている。君は必要とされていない。」

この言い方だと、同一人物ってバレてない？

「可哀想に。ファンはついても、君は愛されない。僕なら君を愛してあげられるよ。」

寒気がした。