星影暴露計画 3 〜千side〜 ページ13
仕事が終わると、その足で志津雄さんの家へ行った。
案内されて、和室に座って待つ。
しばらくして志津雄さんがやってきた。
「やあ。元気そうだね。」
「おかげさまで。」
志津雄さんは、僕の対面に座る。
「撮影は順調かい?あいつは、うまくやってるのか。」
「撮影は、それなりに順調です。大和くんも体は元気ですよ。・・・役とメンバーで悩んではいますが。」
「そうか・・・。」
志津雄さんが穏やかな笑みを浮かべた。
【本当に、この親子は・・・】
僕もそんなに自分の感情をうまく話せないけれど、ここまで不器用じゃないと思うよ。
モモやAには、ちゃんと伝えないと、というか、伝える大切さを学んだけど。
「あの、志津雄さん・・・」
ツクモの次男が新社長になるらしい事、星影の暴露計画が進行しつつある事を話す。
「大和か・・・僕は恨まれているだろうからね。」
「いえ。大和くんではありません。・・・結構いるらしいんです。」
そう言って、モモに教えてもらった人たちの中で、志津雄さんに恨みを抱いてそうな人の名前を言った。
「あとは・・・朝宮巴さん。志津雄さんの奥さんです。」
志津雄さんの目が大きく見開かれる。
「・・・それで、僕にどうして欲しいんだ?」
「大変恐縮ですが、説得して止めていただきたい。」
「何故。」
「何故って・・・志津雄さんの立場が危うくなります。星影を潰されてもいいんですか?」
「僕の立場が危うくなるのは僕が不誠実だったからだろう。真実なら報いらなくてはならない。星影は僕が危うくなったからと言って潰れはしない。君は巴や他の人達に、今までのことを目を瞑って知らない振りしてくれと、僕に頭を下げろと言うのか。」
「それでも、守る物のために・・・」
「話にならん。」
静かに怒気を含んだ志津雄さんの声に、瞳に、ヒヤッとする。
「自分がした事を、それで怒りを買った事を、なかった事にする気はない。自分で責任を持つ。」
「でも、それで多くの人が困るんです。千葉サロンを暴露されたくない人間なんて山ほどいます。」
「だから何だ。それぞれも自分のしたことが不誠実であったなら、それを罪と思うなら、当然の報いだろう。」
「しかし・・・!」
「君なら、そういう事は分かってくれると思ってたよ。・・・・・・残念だ。」
「志津雄さん!」
「二度と家の敷居を跨ぐな!」
追い出されてしまった。
頼みの綱は大和くんか、とため息をついて志津雄さんの家をあとにした。
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ミズ ミズ(プロフ) - 伊織露維さん» いつもありがとうございます!気分はずっと書いていたいんですけど、体と時間は思うようにいきませんね(笑)でもお気遣いありがとうございます^^気をつけながら頑張ります! (2019年8月5日 8時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
伊織露維(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです。更新を何より楽しみにしています。お疲れの出ませんように…。 (2019年8月5日 1時) (レス) id: 2aaf981a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年5月31日 8時