耳が痛い 2 〜百side〜 ページ30
「Aが、大和はユキに任せるってさ。」
「え？結局家出したんですか、二階堂さん。」
「あー、まあナギもいるしなぁ。」
２人の前に座った。
「２人は、いつ寮に帰ろうと思ってんの？」
一織が三月を見る。
三月次第だよな、やっぱり。
「明日はここ、出ますよ。」
「違うよ。寮に帰る日を聞いてるの。」
「･･････。大和さんが帰るまでは帰りません。オレが先に帰っちゃったら、帰りにくいだろうし。」
うん。ならやる事は決まったな。
「じゃあここに泊まって。ベッドはユキの家みたいに広くないけど、２人なら寝れるし。」
三「でも･･･」
たたみ終わった洗濯物達をしまいながら話す。
「でもじゃないの。財布とスマホ持ってても、そんなに何日も２人で泊まれる位のお金ないだろ？充電器は･･･オレので合わなかったら買ってくる。歯ブラシはストックあるから使って。あと合鍵･･･」
「で、でも！Aが来るとか！２人の邪魔は出来ません！」
既に邪魔されたんだケド･･･なんつって。
「Aは来ないよ。来るとしても、三月や一織を心配して来るんじゃない？」
「Aさん、来ないんですか？」
「うん。いつからかな？全国ツアー始まった辺から？」
「何故･･･」
「理由は･･･まああるけど。でもAの家に行けるし、オレの家でお酒飲んじゃって遅くなるより、いいかって思ったり。場所の問題じゃないから。」
三「お酒飲んじゃったら泊まれば･･･」
「泊まらないね。Aは、ユキがいてオレの家に泊まる事はあっても、１人でオレの家には泊まらない。まー、お互いに徹底してたから、いいんだ。」
一「徹底してた？」
「オレ、歌えなくなっただろ？色々トラウマでさ。それを克服するまでキス以上しないって決めてたの。ま、だから気にせずウチにいてよ。合鍵、1個でいい？今コレしかなくて。もう1個はAから預かっとく。これで仕事も行けるだろ？」
そう言って、三月に合鍵を渡した。
「あと一織、学校の制服とか教科書、どうすんの？」
一織が慌てて電話した。
一織も、しっかりしているようで、高校生らしい所があるんだなんて思って笑う。
「三月は？いらないの？制服。」
「へっ！？いりませんよ！」
「そこはちょっとでもノろうよ〜いつもノってくれんじゃん。」
「あ･･･」
「うん。自分ちみたいにして。」
「百さん･･･ありがとうございます。」
大したことしてないよ、と言って笑った。
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
