毎日一緒 〜百side〜 ページ25
Aの家に着くと、Aが窓を背に寄りかかっていた。
家の中が暗めじゃないと外は見にくいため、照明は最低限にしているからか、月の明かりが入り込んでいる。
オレの顔を見ると、Aの笑顔が何だか切なそうに見えてドキッとした。
【あれ？今日は車でこの辺流した方が良かったかな。･･･毎日って重い？】
ここ数日、毎日のように泊まりに来ていてIDOLiSH7の寮を見張っている。
だからオレの家は洗濯物も溜まってる。
最近のはAの家でやってくれるけど。
今の所は気になるような人はいないし、誰かが仕事以外で夜中出て来ることもない。
【夜中出歩いて気になるとしたら･･･一織と環と陸？】
クッションを下に敷いて、Aの隣に座った。
「見た？どう？」
『まだ時間的には･･･今日、寮で食事させて貰って近況聞いたし、今日千がヤマさんと話してたから今日か明日か･･･もうちょっと後か･･･分かんない。』
10時を過ぎた。
【今日もハズレか？】
Aから双眼鏡を受け取って寮を見る。
灯りは少ない。
いや、せめてあと1時間。
そしたら今日は帰ろう。
Aも仕事で忙しいのに毎日だなんて疲れさせちゃったら悪いから、なるべく夕飯はどこかで食べてから来るようにしてるけど、結局毎日見張ってるから普段よりは疲れているはず。
だからなるべく手を出さないようにしてるけど、それでも疲れるのかも。
Aはオレと毎日一緒って疲れるのかな。
【オレ、見張りだとしても一緒にいれるから疲れも飛ぶし、結構この時間好きなんだけど。】
付き合い始めてから仕事でもないのに、こんなに毎日一緒に過ごした事はない。
結婚や同棲をすれば、聞かなくても、もっとずっと一緒にいれるのに。
ユキとの同棲？同居？も、ずっと一緒だった。
合わせるのは大変だったけど苦にならなくて幸せだった。
ユキさんとの距離も分からなくて、いっぱいいっぱいで。
Aは、お嫁はそのうち･･･って言ってくれたけど、毎日一緒が疲れると感じてるなら難しいし。
うーん･･････。
『どうしたの？』
「んー？どうしたら、もっと好きになってくれるかなーって思ってた。」
『へっ！？』
あ、慌ててる。
暗いから分かりにくいけど、顔赤いのかな？
本当に凄い照れ屋で恥ずかしがり。
かわいい。
Aの耳の後ろの髪に指を入れ、顔を近づけようとした時、Aがチラッと外を見た。
『あ。』
「え？」
『灯りが増えた。』
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
