お互いの報告 2 ページ21
『千の声、聴きたくなるんじゃないの？』
「まぁ、聴きたくはなるけど。でもAは会いたくなる。今日も会いたくなった。」
真っ直ぐな目で見られて、ドキドキする。
百の顔が近づいて、私が目を閉じる前に百が言った。
「あ、オレの話してない。」
『ああ、うん。』
ツクモの新社長になる事、ヤマさんの生音声。
あと･･･
『私がヤマさんと付き合ってる？百が否定してくれる前に、ツクモに流れてたって事？』
「でなきゃ、他で聞いたとかね。星影の人なら大和とAが仲良いの知ってるでしょ？大和の部屋に思春期の男女が高確率で２人きり。何もないと言って誰もが信じるわけじゃない。一部じゃ、Aがうまく取り入ったって声も聞く位だ。」
それは以前聞いた事がある。
昔、ドラマの現場で仕事以外の事でネチネチ言われて、呆れていたら星影の人が助けてくれた。
ネチネチ女は去り際に、息子を取り入れてうまくやったわね、と言っていた。
「大和の家に行かなくなって大分下火になったけど、IDOLiSH７と仲がいいから再熱してると思われてる。よりを戻した、みたいな。」
『ああ、今日ミナも言ってた。ヤマさんと私が付き合ってるって。私には別に好きな人がいるって言ったら、あっさり引いたけど。』
「ミナ？」
『棗巳波。Ｍissionに出るの。』
「ああ、ZOOL。あれ、どこの事務所から出るの？」
『えーと･･･。あ、まだ言えない。』
月雲了が新社長になってからなら言ってもいいだろうけど。
「じゃあ巳波って子と、何でそんな話に？」
『ヤマさんにね、意地悪言ってたんだ。知ってても見たくないでしょ、そういうの。だからヤマさんを庇った。』
「そりゃ仕方ないか。やり返してない？」
百が顎に触りながら笑って聞いてくる。
『してないよ。ミナちゃんには意地悪な事似合わないよって言っただけ。』
「はは。そっか。」
『千には月雲の事、言わないんでしょ？』
「うん。暴露する大物が分かったら言うつもり。」
ああ、そのまんまだな。
『どっちにしろバレるよ？覚悟しといて。』
「う･･･分かった。」
ショボンとしてうなだれる百を見て、時計を見る。
日付が変わっている。
百に先にお風呂に入って貰って私があがって寝室に入ると、百はもう寝ていた。
【疲れてんのかな？珍しい。】
そっと隣に寝る。
百の方を向いてすり寄ると安心して、すぐに瞼を閉じた。
百【ぐぐ、すり寄ってきた･･･。可愛い･･･。でもモモちゃん頑張ったよ、ユキ。】
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
