笑顔のキミが好き【if･･････二階堂大和】3 (ページ49)

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キミと愛なNight！の収録。
放送はそんなに日が経たずにあるけど。
いつものようにミツのＭＣで始まる。

「大和さん、最近チャレンジした事は？」

「一人焼き肉。」

「１人で焼き肉行ったんだ！？呼べよ、メンバーとか！」

イラ･･･
いや。お兄さん、プロで大人だから怒らないよ。

自分のペースで焼けて最高だと言えばノってくる。

「全部自由。一人焼き肉最高！お兄さん、一人大好き。」

「大勢の方が種類多く食えるじゃんか。今度呼べよ！財布置いて向かうから！」

お兄さん、大人だから怒らないよ？

「あはは！目的それじゃん！奢らねーよ！」

ナギ以外がハラハラしてるけど知るか。
スタッフ達の笑いは誘ったけど、疲れた。

終わって帰ろうとするとソウが声をかけてきた。

「あの･･･。今夜飲みに行きませんか？今後の事とか･･･。」

「悪い。明日も朝早いから。あとこれ。」

そう言って、何枚かお金を渡す。

「A、あんまり行ってないんだろ。これでみんなの出前でも取れよ。」

「いりません！こんな･･･。」

「いいから、いいから。じゃあな。」

「ま･･･待って･･･！大和さん、前に困ったら頼れって言ってくれたでしょう？こ･･･困ります･･･。大和さんと三月さんが出て行ってから、みんな、寂しがってる･･･。なんとかしてください･･･。」

「ソウ･･･。」

珍しい。
ミツと初めて大喧嘩した時のように、怒るでもなく謝れでもなく。

「･･･っ、･･･すみません･･･！偉そうなことを言って･･･。」

「いや･･･。」

やっぱり潮時か･･･？
こんなに困らせて。

「･･･ひとまず帰るわ。お先に。」
「大和さん！やま･･･っ」

今度は足を止めることなくテレビ局を後にした。
出てから局を見上げる。

【Aといい、あいつらといい･･･】

まっすぐ俺を見てるのに。
俺だけがひねくれた見方をしている。

【こんな不純な動機の俺、受け入れるわけがない。】

あいつらは一生懸命で、真っ直ぐ夢に向かっている。

「これ以上あいつらを困らせる前に、俺の方から･･･辞めるって、言うべきなのかもな。」

そうしたら、Aとはどうなるんだろう。
俺が、俺を受け入れられないなら･･･

「はは･･･。やっぱ振られんのかな、俺･･･。」

口に出すと、妙にリアリティがあって、泣きそうになった。
再び歩き出そうとすると、声をかけられた。

「大和！これから帰り？」

「百さん･･･。」

あんまり、会いたくなかった。