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明け方に千が私に見せてきた楽譜がNO DOUBTに近くて、それが嬉しくて少しだけ元気になった。
ヤマさんが好きなおかずやご飯を作ると、千が嫌そうな顔をして言った。

「大和くんに、Aのご飯は勿体ない。わざわざ好みのを作らなくて良い。」

『じゃあ千は、そうしなくていいよ。私がしたいだけだから。』

先に食べて、ヤマさんと顔を合わすことなくスタジオに戻る。
別れようと決定的な言葉を言われるのが怖くて逃げた。

【ほぼ、言われたようなもんだけどね。】

今日が映画の撮影なくて良かった。
1日中、ヤスの仕事で良かった。
無理して笑わないで済む。

ヤマさんが仕事に行ってから、千と家を出る。
カフェで千は、百に、私とヤマさんの事を話した。

「理由は聞いてないし、何があったか聞いてないけど、大和くんが泣かせた。」

『違うよ。ヤマさ・・・大和がしんどいの分かってるのに、百か千と付き合えば?って言われて、そうするって言っちゃったせいだよ。』

「そんな事言ったの!?」

百が目を丸くして、口をあんぐり開けた。
コクンと頷く。

『昔の千が言いそうな最低さでしょ?』

「何でさりげにディスられたの、僕。・・・ああ、でも言ったかも。Aに本気か分かってない時“私のこと好きじゃないの?”って聞いた人がいて、面倒くさくて振ったり“本気だと思ってたのに”とか勘違いしてる人とか。“私とAどっちが好きか”って聞かれて、Aだけど何か?って言ったな。ああいう女、嫌い。」

【うわー、もう本当に黒歴史だよね・・・】

「すごい!ユキ、さすがモテモテだね!ずっと一途も貫いて、本当にハイパーイケメン!」

百の目が、キラキラしてる。
ポジティブだなー。

「何言ってるの。モモも一途でしょ。」

「モモちゃんは、いいのー。」

「ヤス、モモと付き合えばいいよ。」
「いやいや、そこはユキでしょ。」
「モモだって。」
「ユキ〜。」
『押し付け合わなくても、付き合わないから安心して。』

すると百と千が私を見た後、目を合わして笑った。

変なこと言った?

百「分かってないなー、ヤスは!」

「押し付けてるんじゃなくて、譲り合ってるんだよ。・・・この際、3人で付き合おうか。」
「え!何、その楽しそうな案!」
『こわ。何?公認の二股?有り得ない。』

「「いいんだよ。」」

急に真面目に言う百と千に驚いた。

「辛い時は甘えちゃいな。」

「僕らは笑ってる君が好きだよ。」

嬉しくて、泣きそうになった。

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作者名:miz | 作成日時:2019年4月28日 22時

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