笑顔のキミが好き【if･･････二階堂大和】3 (ページ34)

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寮に帰っても台本と本と睨めっこ。
頭の中も結局ぐるぐる堂々巡り。

コーヒーでもいれてくるかと椅子から立ってリビングへ行った。

灯りを点けてコーヒーをいれていると、誰かが入ってきた音がした。

【ミツか。】

「まだ起きてたのか、ミツ。最近夜更かしのやつが多いな。」

「そっちだろ。･･････何してた？」

本読んでコーヒー取りに来た事を言うと、眠れなくなると忠告を受けるも、ミツは何かソワソワしてる。

【何だ？･･･嫌な空気だな。】

まあ、いつもナギがあれこれ聞いてきても止めてくるし、大丈夫だろ。
例え聞かれても、いつものように、かわせばいい。

言うわけにはいかない。

そう思っていると、ミツが言いにくそうに口を開いた。

「単刀直入に聞くわ。千葉サロンって何？」

【･･･パーティーの時、聞いてた奴か。】

「千葉サロンのこと暴露するために芸能界に入ったって何？大和さん、なんで芸能関係に知り合い多いの？Aを紹介した人って誰？千さんとは、Aを介して知り合ったとしても百さんは何で知り合いじゃなかった？」

矢継ぎ早に質問を投げかけてくるミツに、少しイラッとした。

「本当は聞くつもりじゃなかった。だけど、あんた最近しんどそうで･･･。」

呟くように言うミツに、どう答えるか迷う。
その一方で冗談だろとも思う。
いや、冗談にしたい。

「おいおい。ミツまでナギと同じ出歯亀かよ。程度が知れるぞ。」

俺の言葉でミツの表情が変わった。

「出歯亀･･･？」

言いすぎた･･･。

「あ、いや･･･。」

「あんた･･･。ナギが今まで散々心配してんの出歯亀や野次馬根性だと思ってたのか･･･？」

ミツの眉間にしわが寄る。

そこまでではないけど、触れられたくないのを聞かれているのには変わらない。

「余計な好奇心には違いないだろ。おまえもな。」

「･･･本気で言ってんのか。オレたちが好奇心で知りたがってるって。」

「別に責めちゃいないよ。そういうもんでしょ、人間って。」

「な･･･っAがいるのに、そういうこと言うのか。」

「･･････。あいつとは距離を置いた。そのうち別･･･いや、こういう話も聞きたきゃネットでゴシップ記事でも読んでろよ。じゃあおやすみ･･･。」

もうこれ以上話したくない。
Aの名前も千葉サロンも、今は聞きたくない。

もう俺の最悪な部分に踏み込もうとしないでくれ･･････。

コーヒーを持って部屋を出ようとした時、腕を掴まれた。