86 (千ルート・占いが出来る理由と全文共通話。) ページ15
・・・「A、夕飯食べに行って良い?」
大阪から戻った日、百から電話があった。
何でさっき別れる前に言わなかったのかな?
『千は?』
・・・「いるの?それとも他にどこか行く約束してる?」
『いや、いないし、約束もないけど。』
・・・「じゃあ今から行く!三人分用意しといて!」
電話は切れた。
いや、いいって言ってないけど。
でもまあ、いつものことかと思いつつ調理を始める。
【ん?三人分?】
千を呼んだのかな?
でも、千がいるのか、他に約束してるのか聞いてきたし・・・・・・誰?もう1人。
作りながら考えてるとスマホが鳴った。
『万。どうしたの。電話珍しいね。』
・・・「A、百くんに言った?」
『は?何を?』
・・・「記憶があること。」
【え?】
『言ってないよ。言うわけない。』
なに。
怖い。
・・・「百くんに電話で聞かれた。“Aが占い出来る理由って何か分かりますか。”“バンさんにとって、Aがこそこそしてた時って何してましたか。”」
背筋が、ぞっとした。
・・・「俺には言えないって言ったら、Aの家で食事しませんかって言われた。百くん、もう来てる?」
『来てない。』
・・・「俺、仕事切り上げたから、もう着く。」
電話を切って、テーブルに置いた。
百が私を疑った?
でも違和感を感じさせたのは私だ。
占いって思われてるならそれでいいと思ってた。
千もヤマさんも、そう思ってる。
でも百は、そう思ってなかったという事だ。
『はは、勉強は苦手なくせに、頭いいもんね。』
額に手を当てる。
インターホンが鳴った。
万?百?どっちだろう。
コンロの火を消して出ると、万だった事にホッとした。
万が来るエントランスから私の家までの距離が長く感じる。
落ち着かなくて、また料理を再開した。
万が家に入ると、ホッとして涙が出た。
「え!?泣いてるの?」
『だってー・・・百が怖いー・・・』
「・・・・・・お前、仮にも以前、好きだった人に・・・。」
『そこは今は関係ないの!』
「まぁ、今までバレなかった事の方が凄いんじゃないか?話してみようか。」
『頭おかしい扱いだよ!』
「俺は信用しただろ。百くんも信用する。百くんも、Aの事が凄く好きだし大事なんだから。俺も証言出来るし、納得行くこと沢山あるよ。」
万が頭を撫でて微笑んでくれる。
見上げると、万は、すぐに手を引っ込めてキッチンへ行った。
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作者名:miz | 作成日時:2019年4月28日 22時