日記帳の中身 3 ページ41
キッチンへ行くと、テーブルのお皿の上に上手に焼かれたトーストとサラダ、片面黒焦げのベーコン。
「A・・・ごめん。」
私は何も言わず冷蔵庫から卵と牛乳を出して、塩コショウで味付けしたオムレツを2つ作って出した。
「お、怒ってる?」
『いや?やっぱりなって思っただけ。まぁトーストは上手に焼けたんだし、無駄にならなくて良かった。用意ありがと。いただきます!』
「いただきます。」
百は心なしかショボンとして食べ始めた。
「オムレツ美味しい!」
『ほんと?良かった。』
「Aは、いいお嫁さんになるね!オレの母ちゃんにも認めて貰ってるし!」
物凄く嬉しそうに言われた。
『いや、気が早いよね・・・。千から聞いたの?』
「うん。でも母ちゃんの方が気が早いと思う。付き合ってない時に言われたんでしょ?嫁って。」
『似たもの親子ね。』
「・・・・・・嫌?」
少し悲しそうな顔で首を傾げる百。
・・・・・・ズルい。
わざとだ。
でも嫌じゃないのを素直に言うのは恥ずかしい。
『そ、そのうち・・・・・・。』
百は満面の笑みで食事を再開した。
【対応に困る・・・。】
洗濯物を干している時に、百が日記帳を読んでいた。
凄く真面目な顔してる。
あの中身は、過去の割に色々書いてある。
まだ出会っていないZOOLのメンバー。
事務所は書いてないけど。
第1部と2部に関係する知ってるものだけのカードのラビチャの大まかな内容。
王室関係者とかは1冊目には書いてない。
「これ面白いかも・・・。」
百が、聞こえるか聞こえないか位の声で言った。
【何か面白いのあったっけ?話自体かな?】
首を傾げながら洗濯物を干し終えると、百が顔を上げて私を見た。
「Aさ、推しがオレなのは分かったんだけど、他にこの言葉が好きとか・・・って・・・洗濯物、全部干しちゃったの?」
『え?うん。百、一生懸命読んでるし。』
「オレの下着・・・。」
『あ・・・。』
普通に干してしまった。
でも干しちゃったもんは仕方ない。
百もそう思ったのかニコッと笑って言った。
「もう色々見たもんね。今度オレがAの下着干す!」
『げ。いや、いいよ。自分でやる。』
「えー?オレもやりたい!」
『いい!』
「じゃあ中身触る!」
百が立ち上がって近付いて来た。
『中身言うな!いい!何だっけ?好きな言葉!?』
逃げながら叫ぶと百が止まる。
『えぇと・・・これかな。でももっと好きなのあるけど、まだ言えない。』
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作者名:miz | 作成日時:2019年4月19日 5時