笑顔のキミが好き 【千】 2

あけぼのテレビ開局50周年パーティー　2　〜千side〜 ページ35

楽くんが重役だの言って、大和くんは凄い人と知り合いだとか色々言われている。
思わずため息をついた。

「さっさと言わないから･･･」

『言えないんだよ。』

言った方がラクになると思うんだけどね、僕は。
おかりんが声をあげた。

「あ！すみません。言い忘れてました。千くんとAさん、星影芸能の星野さんが、ご挨拶がしたいって探してましたよ。」

「分かった。」

『うん、行ってくる。』

モモの方は、月雲か。

「あんなのと関わらなきゃいいのに。」

『そうね。同感。』

星野さんの所に行くと、棗巳波くんを紹介された。

「千さん、Aさん、お会い出来て光栄です。よろしくお願いします。」

「どうも。」

『こちらこそ、よろしくお願いします。』

「はは･･･。お二方共、噂通りの人ですね。千さんは独特の雰囲気があって、ミステリアスで無口だ。Aさんは大人しそうで愛嬌があって雰囲気がある。」

へぇ、そんな事言われてるんだ。

「意外と僕はひょうきんなんだけどね。Aは大人しくないし。」

『千はミステリアスではないね。粘着質だし。』

「ちょっと。」

「ふふ、噂通り仲もよろしいんですね。私も占いが得意という、ひょうきんな特技があるんですよ？」

「へぇ。」

「千さんのように、左目に泣きボクロのある男性は･･･。異性を惑わすが、恋愛には受け身。情が深く、移り気で気まぐれ。不特定多数との子孫繁栄が約束されています。」

Aが笑った。
合ってないと思ったんだろう。
実際半分位合ってない。
棗くんは不思議そうに、Aに聞く。

「どうして笑うんですか？」

「アイドルとして、約束されちゃいけないものが約束されてるな。こんなに一途な男を捕まえて。」

「なるほど。Aさんにアプローチし続けているという噂は真実だと？」

「それはどうだろうね。」

アプローチなんて必要ない。
既に付き合ってるから･･････とは言えないか。
でもこのまま引き下がるのも･･････。

そう思ってAを見た。

「Aも占いが出来るんだよ。ね？」

『え？』

Aの先見みたいなのは占いのような物だと思うし、なんとかなりそう。
睨まれた様な気もするけど、知らないフリしよう。

Aは少しため息をついて言った。

『ミ･･･棗くんは穏やかそうに見えて実は過激的？･･････ええと、合ってる？』

え？先見じゃないの？
･･････棗くんのをマネしたのか？

棗くんは、にこやかに微笑んだ。

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