意外な悩み 2 ページ10
『百、お待たせ。』
席に座ってメニューを広げる。
百はビックリしたような顔をしてメニューを開いた。
注文してから、このままじゃ嫌だと思って口を開いた。
『百、何があったか聞いていい？』
「え？」
『何があったか聞いていい？』
まっすぐ百を見た。
多分、千の事だと思う。
散々あちこちに電話していた。
どこかに依頼もしていた。
“Aは、僕たちだけが成功して万に悪いと思わない？”
千に聞かれた事がある。
答えはNOだ。
旧Re:vale時代から音楽に対する想いの強さにすれ違いがあったから、記憶がなくたって、今万に会えていなくたって、悪いとは思わない。
それでも千はそれを知らないから申し訳なくなるんだろう。
百は、しばらくしてから少し寂しげに口を開いた。
「オレ、おかしい？」
ホッとした。
何もないとか、何言ってるのとか言われたら、話を聞くのが難しくなる。
抱え込んでしまう事を知っているから。
私が頷いた所で料理が運ばれてきた。
店員が出て行くまで百は下を向いたままだ。
「いや、もう少しで5年だなぁって思ってる位で特に何もないよ。」
『どうして急に？』
「急じゃないよ。いつも思ってる。Aと付き合う時だって言ってたじゃんか。」
『ずっと一緒にいるよって、本心だよ？』
「･･･っじゃあ、オレがRe:valeじゃなくなっても、今と同じように付き合える？」
泣きそうな顔で言う百に驚いた。
【千じゃなくて、私との事で悩んでるの？】
いや、千が万を探していたり、自分相手に取り乱すくらい好意を持ってくれていないと思っている事にも悩んでいるはず。
『百は、ずっとRe:valeだよ。』
「オレはもう少しで期限切れだよ。」
『それでいいの？』
「そういう約束だったよ。」
『約束とかじゃないよ。百はそれでいいの？』
百と目が合う。
でも逸らされた。
「良くないよ。でもどうにも出来ない。･･････だからさ、いいんだ。」
百はそう言って笑った。
そんな悲しそうな顔で笑わないで･･･
「A、泣かないで。」
『私、百だから好きだよ。春原百瀬だから、好きだよ。どんな状態でも付き合っていきたいと思ってるよ。』
涙を拭って、百を真っ直ぐ見て言った。
百は目を丸くしたけど、すぐに微笑んで、今度は本当に嬉しそうに笑った。
「オレも、Aが好き。億安Aが好き。うん。オレもずっと一緒にいたい。」
２人で笑い合う。
その後でちょっと冷めちゃったご飯を食べて、帰った。
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ミズ ミズ(プロフ) - 巫リオネさん» いつもありがとうございます！公開しました！教えていただきありがとうございました！ (2019年4月13日 9時) (
レス) id: 9f5e9cb3e5 (このIDを非表示/違反報告)
巫リオネ(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく拝読させて頂いております！登場人物みんな可愛くてかっこいいです…！これからも応援してます！あと補足なんですが…それぞれの反応2が公開されていないみたいです…… (2019年4月13日 7時) (レス) id: e609e440af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年4月6日 12時
