借り物の幸せ 4 ページ26
楽屋の外で、百の話を４人で聞いていた。
「女の人なのに傷が一生残るらしくてさ、見せて貰った事があるんだけど凄く痛々しくて･･････辛い。･･･っごめん･･･格好悪･･･」
“辛い。”
その言葉が胸に刺さった。
千が心配そうに私を見る。
「ヤス。化粧室行っておいで。ポーチの中に化粧直しあるよね。」
『･･･うん･･･』
涙が流れてた。
化粧室へ向かう。
百が、辛いって言って、泣いてた。
私も原因の一つだったんだ。
どうしたらいい？
『･･････っう･･･っ』
個室で声をころして泣いた。
百･･････
私たち、だめなのかな？
こんなに好きなのに、応えちゃいけなかったのかな。
『･･･っ』
イヤだよ。
だって、前世の記憶がよぎった時から
ずっと好きなの。
諦める方法なんて知らないよ。
だって、ずっとRe:valeなんだよ？
この先も、ずっとRe:valeなんだよ？
別れて、それでも一緒にいるなんて辛い。
プロだから、なんて考えられる余裕は、なかった。
それでも衣装を汚さないように考える頭はあって、ポーチからミニタオルを取って目にあてる。
涙でメイクはグシャグシャだ。
でも一度出た涙は止まることなく溢れ出す。
こんなに泣いてたら収録に支障がでる。
そう思うのに、止まらない。
どれくらいそうしていたのか、気づいた時にドアがノックされた。
「ヤスさん、いらっしゃいますか？」
【！！つむちゃん･･･！！】
『あ･･･なに？ごめん、今ドア開けれない。』
焦って、涙が引っ込んだ。
かすれている声だけど返事した。
手鏡を見ながらメイクを始める。
収録しないといけない時間だよね。
この後、IDOLiSH7だったよね。
一気に頭の中が仕事仕様になった。
「あの、今ここに、私とヤスさんしかいないので、聞いて貰えますか？」
『うん、いいよ。』
「百さんから伝言です。」
メイクの手が止まって、震える。
あんな言葉を聞いた後で、どうしろと言うの。
「あの、“顔は隠して、マネ子ちゃんに手を引かれて楽屋に来て”だそうです。今楽屋には、百さんだけです。」
･･････ムチャを言う。
色んな意味でムチャだ。
会うのが怖い。
【でも、仕事するんだもん。会わなきゃだよね。】
ミニタオルと手で、そっと顔を隠して出ると、紡がクスッと笑ったのが聞こえた。
「大丈夫ですよ。百さんはヤスさんを大事に想ってますよ。」
紡の優しい言葉に、また涙が出た。
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ミズ ミズ(プロフ) - 巫リオネさん» いつもありがとうございます！公開しました！教えていただきありがとうございました！ (2019年4月13日 9時) (
レス) id: 9f5e9cb3e5 (このIDを非表示/違反報告)
巫リオネ(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく拝読させて頂いております！登場人物みんな可愛くてかっこいいです…！これからも応援してます！あと補足なんですが…それぞれの反応2が公開されていないみたいです…… (2019年4月13日 7時) (レス) id: e609e440af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年4月6日 12時
