待ちに待った！ 3 ページ6
『イチャイチャしません。周りもいるし。』
公開終了間近なせいか人はまばらだけど、いないわけじゃない。
「えー？･･････まぁもう始まるからいいや。くっつけるから！」
右横からギューッと抱きしめられる。
頬に百の頬が当たる。
近い。
すぐに照明が暗くなってＣＭが始まった。
百が離れたと思ったら、頬にキスをされて驚いて頬を触って百を見る。
『イチャイチャしないって言ったでしょ。』
小声で怒ったように言っても百はニコニコしてる。
かと思えば真面目な顔をして言った。
「･･････じゃあこの後、家にくる？」
『へ？』
家？
家って、百の家？
その意味を理解して、顔に熱が集まった。
心臓がうるさい。
暗いから顔が赤いのは見えてないだろうけど。
【え？トラウマ克服してないよね？何でそんな話になってるの？え？どうしよ･･･】
戸惑っていると、百は、あ、始まったと言って前を向いた。
「今は観よう。」
映画の内容は最初の方は全く頭に入ってこなくて、アクションシーンになって大きい音が鳴るとビクッとして一瞬飛び上がってしまった。
百に笑われて睨むと
「手、繋いどけば良かったね。」
と言って繋ぐ。
それからは、映画に集中出来た。
爆発音が鳴る度にビックリして手を繋ぐ力が強くなる私に、百が私を見ながら優しく微笑んでいたのには気づかなかった。
『面白かった〜！』
映画館を後にして、街中を歩く。
一応駅に向かっていた。
「うん！映画面白かった！Aの反応も面白かった！」
『もうやめて･･････最後の方は大丈夫だったでしょ。』
「ずっと飛び上がってるのも面白かったけど、慣れちゃった？」
『大音量のああいうの、慣れてからなら平気なんだけど最初の方はね･･･』
「ライブは平気なのに。」
『ライブは突然大音量が鳴ること、あんまりないもん。どこでどうなるっていうのも分かってるしさ。』
「じゃあ、心構えがあればいいんだ？」
『そう･･･』
頷こうとした時、知ってる歌が聞こえた。
「あのさ、A。これから、オレの家に･･･」
【これ･･････】
〔Making Making イケナイ Love me？ Taking Taking Taking! NATSUしようぜ！〕
止まって見渡す。
「？･･････A？」
百の声は聞こえていなかった。
周りに画面はない。
どこかのお店から流れる音楽。
それだけで、悲しくなった。
「A、話があるからオレの家に行こう。」
百に連れられて家に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 390人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミズ ミズ(プロフ) - 璃堵さん» いつも読んで頂いてありがとうございます！＆教えてくれてありがとうございます！直しちゃいました。すごく今更ですが（汗） (2020年7月20日 1時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
璃堵(プロフ) - ストーリーにちゃんとハマってて、めっちゃ面白くて、めっちゃ好きです！！最後の話のがっくんが天にぃに九条紹介しろって言ってるところらへんで、ブラホワがフラホワになってました。揚げ足取ってごめんなさいm(__)m (2020年7月19日 23時) (レス) id: 252f69f9ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miz | 作成日時：2019年3月27日 7時
