65 〜大和side〜 ページ43
Aと話をしないまま、こけら落としを迎えた。
「万理さん。話、良いですか？」
事務所に早めに行った。
Aと仲直りをするには、万理さんと話をするのが良い気がした。
「うん。何かな？」
俺がAとケンカした経緯を話す。
万理さんは優しそうな笑みで聞いてくれた。
「つまり大和くんは、Aに頼ってくれなかったことが一番嫌なんだよね？」
「あー･･･まぁそうですかね。」
万理さんは唸って、困ったように笑った。
「あいつが人に頼るのって、あんまり見たことないんだよね。泣き虫だけど、これやってとかあれやってとか言っても、ほら、素直じゃないし。何でも自分で抱えちゃう所があるしね。」
「そうなんすよね。でも、万理さんには、なんというか･･･何でも話して頼ってる気がします。垣根がないっていうか･･････だから皆、Aと万理さんが付き合ってるんじゃって誤解したんだろうし。万理さんも、Aに対する態度だけ違いませんか。」
そう。
だから羨ましいと思った事は何度でもある。
付き合ってるのは俺なのに。
手に入れても、ずっとどこかへ行ってしまいそうな気がしてた。
･･････でも最近は少し、そんな気は薄れてきているけど。
「うーん･･･大和くんは、Aって何でこんな事知ってるんだろうって思った事ない？」
「え！？･･･ああ、ありますけど。」
なんだ？急に。
「その理由を聞いた事は？」
「あー･･･占いみたいなもんって･･･」
「･･･そうきたか･･････」
「あの･･･？それが何か･･･？」
不安になって恐る恐る聞くと、苦笑いしていた万理さんが微笑んだ。
「Aはね、色々知ってるから、どれをどの程度話していいのか分からないんだと思うよ。今回の百くんが歌えなくなった事も、俺に言えば良かったのに言わなかった。自分で考えすぎて身動きが取れなくなってる。･･････あいつは、色々知らない方が幸せかも知れないと思うよ･･･。」
考えすぎて身動きが取れなくなってる･･････
知らない方が幸せ･･････
まるで俺の事を少し言われているみたいだ。
「Aも、苦しいんですかね･･･」
「Aは大事な人が少しでも楽になればって思うって言ってた事があるよ。でも、大事な誰かが１人じゃなかったらどうすればいいのか、そう考えるとね。きっと今回のようになるんだろうね。だから苦しいと思うよ。」
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ミズ ミズ(プロフ) - chattyさん» いつもありがとうございます！またよろしくお願いします＾＾ (2019年3月22日 22時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
chatty(プロフ) - 続編ありがとうございます！毎回ドキドキして拝見させて頂いてます(o^^o) (2019年3月22日 19時) (レス) id: 01aa2e4b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年3月22日 8時
